日本代表の序列くっきり…「スタメンは厳しい」「絶対外せない」選手は? 金田喜稔がエクアドル戦出場の全17選手を採点
【専門家の目|金田喜稔】ほぼ負け試合で活躍したシュミットが満点、長友にも高評価
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は9月27日、ドイツ・デュッセルドルフで行われた国際親善試合でエクアドル代表(同44位)と対戦し、0-0と引き分けた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した17選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点した。
◇ ◇ ◇
<GK>
■シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)=★★★★★(5つ星)
シュート数(日本9本、エクアドル12本)やPKを考えると、ほぼほぼ負け試合。それでも引き分けに持ち込めたのは守護神の活躍が大きい。PKストップは言わずもがなで、それ以外の場面でも好セーブを見せていた。下手したら3失点ぐらいしてもおかしくなかったが、よく無失点に抑えたという意味で最高点を与えたい。GK争いはどうなるのかという楽しみが増えた。
<DF>
■山根視来(川崎フロンターレ)=★★★☆☆(3つ星)
もっと高い位置を取って堂安とのコンビネーションを見たかった。チーム全体のビルドアップが機能しなかった影響を受けた形だが、いずれにしても自身の特徴を出し切れなかった点は変わらない。アピールに成功したとは言えないが、それでもまずまずのプレーを見せていた。
■谷口彰悟(川崎フロンターレ)=★★★☆☆(3つ星)
PKを献上した場面は相手の上手さが光り、してやられた感もある。Jリーグであれば、ひょっとしたら谷口がボール奪取に成功していたかもしれないが、相手も足が出てくるのを分かったうえで先に足を出していた。コンマ何秒の世界だが、まさにワールドクラスの攻防だった。
■伊藤洋輝(シュツットガルト)=★★★☆☆(3つ星)
左足のフィードは質が高く、日本の武器にもなり得るものだが、この日は生かし切れなかった。ビルドアップが機能しないというチームの問題もあったなかで難しいプレーを強いられた。本来であればもっと効果的なパス供給もできたように思う。
■長友佑都(FC東京/→後半38分OUT)=★★★★☆(4つ星)
守備で身体を張って阻止し続けた。相手に自由なプレーを許さず、改めて国際経験が豊富な一面を覗かせた。1対1の対応力も極めて高く、さすがという場面も随所に見せていた。こうした難しい試合で底力を発揮できるベテランは頼もしい。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。