C大阪監督、2年連続での決勝進出を呼び込んだ強気な姿勢 「どういう結果であれ、前からいく」
ホームで1-1のドローに終わった第1戦を受け、アグレッシブな姿勢で第2戦は4-0で快勝
J1セレッソ大阪は、9月25日に行われたルヴァンカップ準決勝第2戦で浦和レッズに敵地で4-0の大勝。2年連続での決勝進出を決めたゲームに、小菊昭雄監督は「どういう結果であれ、前からいく」と、強気な姿勢を貫いたことが好結果につながったと振り返った。
C大阪は昨季と同じカードになった準決勝の初戦、ホームで1-1の引き分け。その試合後時点から小菊監督は「次のゲームは絶対にゴールが必要なので、やるべきことははっきりしている」と話していた。その最低でも1ゴールが必要な試合は、立ち上がりからのハイプレスがハマった。
浦和もボールをつなぎながら前進する意思を見せるチームだが、ボールのところで人数を合わせるだけでなく、後方からの連動性も高かったために選択肢を奪い取った。小菊監督は、「キャンプからハイプレスから攻撃につなげていくという守備の構築もしてきた。この状況下でアグレッシブにボールを奪ってゴールを取らないといけないということを、全員の思いを強く、戦術的にも共有できた。それを全うしてくれたことが今日の勝利につながった」と振り返った。
一方で、前半26分と同30分に連続ゴールを奪った時点で、残り約60分で浦和は3点が必要な状態だった。小菊監督が「リーグ戦2試合と初戦の3試合は、相手の強みのビルドアップのところで良さを消しながら、自分たちの強みを出していくサッカーを全員で表現した」と話していたように、浦和との今季3試合で1失点しかしていないブロックを作って構える守備に転換する選択肢もあっただろう。
しかし、C大阪はハイプレスの戦術をストップすることなく、そのまま全体のゾーンを高くして前へ人数をかけた。その理由を指揮官は「(今季3試合で)浦和は素晴らしい相手だと実感していたので、90分間どういう状況になっても引いたらやられると。どういう結果であれ、前からいく。疲れたら、どのポジションにもいい選手がいるのでシンプルに交代するというプランだった」と話した。それによって浦和の攻撃を受け続けるようなことはなくなり、後半にも2得点を奪った。
マイボールでも4-3-3のような形に変化しながらボールを運んだ。小菊監督は「自由と規律のバランスを大事にしているが、少し自由のバランスが重くなっているところが見受けられた。そこで1人1人を見ながら、立ち位置、役割がかぶらないように全員でビルドアップを微調整をした」と準備段階について話した。その結果として、トータルしての機能性で浦和を大きく上回ることになった。
昨季は名古屋グランパスに敗れた決勝の舞台に2年連続で到達した。対戦相手のサンフレッチェ広島は、リーグ戦と天皇杯の今季3試合を全敗と苦しい戦績の残る相手だが、2017年以来の優勝に向けて準決勝のゲームで見せたチームの姿は十分にタイトルにふさわしいものだと言える。来月のファイナルでこの日のような姿を見せられるか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)