日本代表の明暗…「こりゃあ凄い!」と脱帽の最高点&不安を残した2人は? 金田喜稔がアメリカ戦出場の全17選手を採点
【専門家の目|金田喜稔】安定感を欠いた吉田、ミスが散見した中山
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は9月23日、ドイツ・デュッセルドルフでのキリンチャレンジカップでアメリカ(同14位)と対戦し、MF鎌田大地とMF三笘薫のゴールで2-0の勝利を収めた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した17選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点した。
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<GK>
■権田修一(清水エスパルス/→ハーフタイムOUT)=★★★★☆(4つ星)
日本のプレスが効いて、枠内に飛んだ危険なシュートは皆無だった。良い悪いと評価するようなシーン自体が少なかったものの、クロスに対して積極的に飛び出すなどゴールを守り切った。クロス対応の際に痛めて交代したのは気がかり。
<DF>
■酒井宏樹(浦和レッズ/→ハーフタイムOUT)=★★★★☆(4つ星)
怪我もあり状態が心配だったがコンディション自体は悪くない印象。絶好調というわけではないが、競り合いでは相変わらずの強さを見せ、速いアーリークロスを送るなど攻撃面も健在。前半のみだったが、上々のパフォーマンスだった。
■冨安健洋(アーセナル)=★★★★★(5つ星)
代表復帰戦で安定していた。ビルドアップは頭一つ抜けていたし、気の利いたパスも出せる。スピードもあり裏を取られても難なく対応できるうえ、ヘディングも強いのだから申し分ない。さらにセンターバック(CB)で先発し、後半は右サイドバック(SB)とユーティリティー性も発揮して勝利に貢献した。本番を見据えるとやはり最終ラインの柱という印象だ。
■吉田麻也(シャルケ)=★★★☆☆(3つ星)
前半、クロス対応で相手をフリーにして危ない場面も見られた。後半には前に出てチャレンジしたところでボールを奪われ、ショートカウンターからあわや失点というシーンは不安材料。W杯ではやられかねない場面で、やや安定感を欠いた。
■中山雄太(ハダースフィールド・タウン)=★★★☆☆(3つ星)
バタバタ感が否めず、無理したパスミスも散見した。ミスが重なる時が目立ってしまう。ミスが起こり得るものだが、即座に立て直す力がほしいところ。相手のレベルが高ければ高いほど狙われるので、W杯を考えると不安は否めない。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。