森保Jの国内組、W杯メンバー「当落」予想 欧州遠征組の8人…秘密兵器になり得るタレントは?
E-1でアピール成功の相馬&町野、生き残りへ存在感を示せるか
■谷口彰悟(DF/川崎フロンターレ)
本大会メンバー入りの可能性:60%
J1王者のディフェンスリーダーはここまで順調にアピールを続けて、カタールW杯の最終メンバー入りを掴みつつある。もちろん、選ばれるだけで満足することはないだろう。現状は冨安健洋とキャンテンの吉田麻也がセンターバックのファーストセットと考えられるが、必ずもらえるであろうチャンスで、ビルドアップやラインコントロールに加えて、エクアドルの長身FWミカエル・エストラーダなどを完封できれば、大きなアピールになる。ただ、今回は板倉滉が怪我でいない代わりに欧州組の瀬古歩夢がいる。谷口もボランチやアンカーはこなせるが、瀬古のようにクラブでも2ポジションで起用されているわけではないので、やはり基本は本職のセンターバックで十分に世界と渡り合えることを証明したい。
■長友佑都(DF/FC東京)
本大会メンバー入りの可能性:70%
本職は左サイドバックだが、6月シリーズのブラジル戦では右サイドでヴィニシウス・ジュニオールを止めるなど、酒井がいないなかで存在感が際立った。それでも生き残りをかけたチャレンジャーの意識は強いだろう。ただ、右は酒井と山根、左は中山雄太と伊藤洋輝がいることを考えると、26人のメンバー構成によっては最終メンバー入りが確実とは言い切れない。相馬勇紀、権田とともに合流が1日遅くなった事情で、軽めのメニューからスタート。中山と伊藤の状態を考えても、おそらくエクアドル戦が出番になるのではないか。右ウイングにはゴンサロ・プラタという高速のサイドアタッカーがいるが、改めて「長友ここにあり」を示したい。
■相馬勇紀(FW/名古屋グランパス)
本大会メンバー入りの可能性:35%
E-1選手権のMVPとして、欧州組がひしめく攻撃的なポジションで堂々のフルメンバー招集となった。東京五輪でも見られた通り、左サイドでも三笘薫とも違った特長がある。特に相馬の場合はジョーカー適性が高く、守備の強度を維持しながら、攻撃でリズムチェンジャーになれるのは強みだ。本大会ではある種、秘密兵器のような存在にもなり得るタレントだが、サバイバルの意味でも今回のシリーズで活躍することは必要条件だ。公開された2日目の練習では長友とともに軽めのメニューだったので、やはりメインはエクアドル戦か。アメリカ戦でも終盤の勝負どころでの投入はあるかもしれない。伊東純也を前線で使うオプションがあれば右サイド起用も。
■町野修斗(湘南ベルマーレ)
本大会メンバー入りの可能性:30%
E-1で宣言どおり3得点を記録して、大きなアピールに成功した。再会後のJリーグでは得点数をなかなか伸ばせていないが、相手のマークも厳しくなっているなかで、前線で奮闘する姿は目を見張る。点取り屋ではあるが、ポストプレーなども進歩が見られる。無論、代表での最大のアピールは試合でのゴールだ。今回は本職だけで4人のFWがいることから「1点は取ります」とやや謙虚だが、本当に1点取れたら最終メンバー入りは見えてくるだろう。現状は浅野拓磨など怪我で招集されていない選手も含めて、普通に序列で数えていくと26人から漏れてしまうが、23人から3人増えた枠を森保監督がどう考えるかで変わってくる。まずは生き残りの足がかりを掴む意味でも世界の舞台でゴールネットを揺らして、ドイツの地でも「ニンジャポーズ」を披露したい。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。