浦和の難敵アウェー戦、“ドロー劇”の価値 ルヴァン杯準決勝の第2戦へ…レッズに“ポジティブ”な状況とは?
C大阪とのアウェーゲームで1-1ドロー、アウェーゴール奪いホームでの第2戦で決着へ
J1浦和レッズは9月21日にルヴァン杯の準決勝第1戦、セレッソ大阪とのアウェーゲームに1-1で引き分けた。堅い守備の相手に苦しんだ試合が続いただけに、MF伊藤敦樹は第2戦に向け「待たれるより来てくれたほうが自分たちのサッカーがやりやすい」と、優位な状況を作ったことを前向きに捉えた。
浦和は今季C大阪にリーグ戦で2敗している。いずれも無得点で敗れたゲームであり、伊藤は「全員がハードワークできるし、守備の部分でもかなりコンパクト。2トップもしっかり追うことができて、サイドバックも絞ってきて、守備がコンパクトなので、中にも入れられない。自分たちはサイドから簡単にクロスを上げてということでは厳しいので中に入れていきたいけれども、そういう意味で相手がコンパクトなのがやりづらい」と、その印象を話している。
このゲームでは、MF関根貴大を右サイドバックに起用し、左サイドバックのDF明本考浩との2人がビルドアップ時に内側を取って相手の守備ブロックに穴を作ろうとしたが、前半2分にロングシュートから失点したことが重く響いていた。しかし後半、連動性の出てきた攻撃によって左サイドを明本がパスワークで突破。マイナスの折り返しを伊東がミドルで狙い、GKが弾いたボールをFW小泉佳穂が詰めて引き分けに持ち込んだ。
このアウェーゴールにより、浦和ホームの第2戦はC大阪が勝ち抜けには最低でも1得点が必要なため、実質的に浦和がリードを奪った状態で試合に入れることになった。伊藤は「相手が前からはめてきてくれたり、もっとプレスをかけてきてくれるほうがやりやすい。今日みたいに先に失点すると相手が固くなり、セレッソのサッカーにハマってしまう。待たれるより来てくれたほうが自分たちのサッカーがやりやすいですし、よりスペースがあると思う」と、スコア上の優位な状況が戦術的な優位性にもつながると歓迎した。
同点ゴールの小泉も「セレッソ戦は先制される展開が多くて、そうすると固いチームなのでなかなか崩せず苦しんだが、否が応でも前に出てくるのは自分たちにはやりやすいかなと思う」と話す。
浦和はマイボールを後方から丁寧に組み立てていく印象もあるが、むしろ相手のプレスを逆手に取った前進や攻撃後の即時奪回のプレスに強い武器を持つと言える。難敵を相手に奪った1ゴールは、勝ち抜けに向けたアウェーゴールというスコア以上に両者にとって大きな意味を持つものになりそうだ。