今野泰幸が回想する南アフリカW杯と伝説の一言 エース降格の中村俊輔から学んだプロ意識、本田圭佑に感じた“野心”
今野は自身初のW杯で力不足を痛感
自身初のW杯はどんな大会だったのか。今野は、「まだまだ自分の力が足りてないんだなと思い知らされました」と表現する。
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「(アテネ)オリンピックが終わって、(2005年に)日本代表に入って、W杯に行くんだという思いでやっていました。ジーコ監督の時は代表になかなか入れない時期もあって、その時は心にぽっかり穴が開いたような、Jリーグでプレーはしているけど、何かが足りないみたいな感覚でした。オシム監督や岡田監督になってようやく代表に定着することができて、W杯までたどり着けたけど、本大会直前に怪我をしてしまったので」
南アフリカW杯から帰国した日本代表の記者会見で、岡田監督から「今野がなんか最後にしゃべりたいことあるってさっき言ってたので」と無茶ぶりをされた今野は、「集まれ~!」と闘莉王のモノマネを披露したことは、今では伝説となっている。その“布石”は、すでに大会期間中から打たれていたという。闘莉王から食らったドロップキックも、今野中では深く刻まれている思い出だ。
「誕生日の時、だいたいケーキが運ばれてきて、誕生日の人が意気込みとか目標を話すんです。挨拶が終わったあと、なぜか関係ないのにみんなから『こんちゃん!』『お返しの言葉をやれ!』とあおられて(苦笑)。僕はその場で面白いことなんかできないし、『嫌だ』『無理ですよ』と断ってたら、岡田監督が真顔で『今野、やれ!』って言うんです。岡田さんに言われたら、もうやるしかないですよね。当時、闘莉王さんがケンタッキーのCMに出ていて、大きな声で『集まれ~!』と言うシーンがあったから、それをモノマネ風に、ふざけた感じで披露したらドッとウケて。そしたら、ツッコミなのか、怒っていたのか分からないですけど、肩のあたりに闘莉王さんのめちゃくちゃ強烈なドロップキックを食らって、びっくりしました(笑)」
(文中敬称略)
[プロフィール]
今野泰幸(こんの・やすゆき)/1983年1月25日生まれ、宮城県出身。東北高―札幌―FC東京―ガンバ大阪―磐田―南葛SC。J1通算443試合46得点、J2通算120試合7得点、日本代表通算93試合4得点。クレバーなポジション取り、鋭く仕留めるボール奪取、的確な展開など、攻守万能なボランチ兼センターバック。ワールドカップには計2回(2010年、14年)出場し、今年からJFL昇格を目指す関東サッカーリーグ1部を戦う南葛SCへ移籍。