VAR導入で変化するJリーグ 散見する“疑惑判定”の原因を元主審・家本政明氏が考察「いろいろなものがズレている」
今シーズン不足しているレフェリーの「テクニカル」な部分と「コミュニケーション」
複雑に絡む問題のなかで、レフェリーの課題について家本氏は「テクニカル」な部分と「コミュニケーション」という主な2点を挙げ、現状を独自に考察している。
技術的な面に関して家本氏は、「とにかく(主審も副審も)ポジションが悪いと感じることが多い。判定の精度が落ちる時はほとんどの場合ポジションに原因がある。やっぱり正しい位置を取れていないし、十分動けていないと今シーズン見ていてすごく思います」と前提となるポジショニングや運動量の面を嘆いている。
「それが原因でもあるのですが、レフェリーの判定に一貫性と安定感と明確な基準がない。どこまで戦わせてどこからはダメという境界線が人や試合によって違ったり、曖昧でよく分からなかったりすることがある。こうなると、試合の中で『さっきは(ファウル)取ったのにこれは取らないの?』や『ほかの試合はファウルなのに、この試合は違うの?』というギャップが生まれる。今シーズンは特にこれを感じていて、レフェリー側にとっての大きな課題と感じています」
「コミュニケーション」の部分については、「信頼関係がなかなか構築できないような仕方をしている」と指摘し、「コミュニケーションを取ったほうがいい時に取らなかったり、逆に取らないほうがいいのに変に選手に寄って行ったり触れてしまうという場面がある。適切なコミュニケーションが取れていない」と対応の齟齬を感じているようだった。
最後に家本氏は、「みんなが思う判定の妥当な幅に、今季最初は上振れしすぎ、逆に今は下振れしすぎているという現状なのかなと思う。ちょうど良かった時もあった。終盤戦に向かって、妥当なところに判定の一貫性や安定性が戻ってきて、多くの人が安心してフットボールを楽しめるようになればいいなと個人的に願っています」と残りのシーズンを通して、少しでもJリーグの判定が改善されることを望んでいた。
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— 家本政明 (@referee_iemoto) September 13, 2022
(FOOTBALL ZONE編集部)