「万能型の素晴らしい選手」 元主審・家本政明氏、レフェリー目線で語る大迫勇也の凄さ…怪我で離脱も“替えのきかない存在”

板倉が左膝内側靭帯の一部断裂、W杯出場へ厳しい状況に

 一方、守備陣もアクシデントに見舞われている。9月12日、ドイツ1部ボルシアMGのDF板倉滉は左膝内側靭帯の一部断裂による戦線離脱が決定。クラブの発表によれば、復帰可能な時期は「カタールW杯による中断期間になる可能性が高い」とされており、板倉抜きで大会に挑む可能性もありそうだ。

 現状、日本のセンターバック(CB)はDF吉田麻也(シャルケ/ドイツ1部)とDF冨安健洋(アーセナル/イングランド1部)のコンビが主力となっているが、今夏に移籍したばかりの吉田、怪我から復帰間もない冨安ということもあり、不安が付きまとう。そういったなか、家本氏が真っ先にバックアップとして名前を挙げたのは、カタールW杯アジア最終予選でもプレーしたDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)だった。

「国内で言うと、谷口選手はしっかりとJリーグで結果を残し、素晴らしいプレーを継続しているので、十分計算ができる選手のひとりだと思います。クレバーな選手ですし、ポジショニングもすごくよく、非常にバランスが取れている選手」

 谷口をそう評価した家本氏だったが、逆に不安要素として「国際ゲームでの慣れという意味で言うと、そこまで代表でバリバリ出ているわけでもない。世界のトップ・オブ・トップが集まってくるなかで戦うとなると、また状況も変わってくるかと思います。ワールドカップの本戦でどこまでできるのかは未知数ですが、国内で言うと谷口選手が筆頭になってくると思います」と考察している。

 さらに家本氏はCB候補にもう1人を指名。それがドイツ1部シュツットガルトのDF伊藤洋輝だ。クラブでは左サイドバックを主戦場としている一方、CBやボランチにも対応するユーティリティー性を兼ね備えている。

「(ジュビロ)磐田からブンデスリーガへ行って大きく開花した選手。伊藤選手はドイツという世界でも指折りの厳しい環境でもやっていますし、そのなかで一定の評価も得ている。この前、代表のテストマッチに出て、すごく良いパフォーマンスをしたと思います」と伊藤に好印象を抱いている家本氏。「吉田選手と冨安選手を中心として、ほかに誰となった時、谷口選手と伊藤選手は僕の中でぱっと出てくる選手ですね」と2人への期待を寄せていた。

 W杯へ向け残り2か月弱。9月の欧州遠征は重要な指標となるはずだが、怪我で不安を抱えるポジションに森保監督はどう“テコ入れ”してくるだろうか。

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 9月23日に行われるキリンチャレンジカップの日本代表対アメリカ代表の一戦で「家本政明ぶっちゃけLABO」というオンライン同時視聴イベントを開催する家本氏。参加者の意見や質問にNGゼロで回答しながら、独自のレフェリー目線でリアルタイム解説する“家本節”にも注目が集まる。

■オンライン配信イベント
「家本政明ぶっちゃけLABO」

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【配信カード】
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【配信日時】
9月23日(金)午後9時20分からライブ配信

【オンライン配信イベント&参加チケットの詳細】
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家本政明

いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。

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