チェルシー新オーナー、トゥヘル解任の決定的理由を明言 「ザグレブ戦がどうかではない」
米国人オーナーのベイリー氏、トゥヘル前監督の電撃解任経緯に言及
イングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーは新シーズン開幕から間もなくトーマス・トゥヘル監督を解任したが、米国人オーナーのトッド・ベイリー氏がその理由を母国のテレビ番組で語っている。
チェルシーは今世紀に入ってロシア人のロマン・アブラモビッチ氏がオーナーに就任すると欧州屈指の資金力を持つチームに変貌。強豪として存在感を発揮してきたが今年に入ってロシアがウクライナに侵攻したことにより、英国は制裁措置としてロシア人富豪の資産凍結を行うことを決定。そうした流れの中でクラブが売却され、米大リーグ・ロサンゼルス・ドジャース共同オーナーも務めるベイリー氏のグループが新オーナーとなった。
米国の経済系番組「SALT」に出演したベイリー氏の言葉は、金融ニュース「ブルームバーグ」や英メディアでも大きく報じられている。そして、トゥヘル氏の解任理由は「成績が理由ではない」と語られている。
ベイリー氏はクラブ史上初のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇なども成し遂げているトゥヘル氏について「どんなビジネスでも引き継ぐ時は、そのビジネスを運営している人たちと足並みを揃える必要がある」と認めている。トゥヘルは明らかに非常に優秀で、チェルシーで大きな成功を収めた人物だ」と話している。
一方で「クラブに対するビジョンは、私たちと本当に協力したいと思う監督を見つけることだった。チェルシーには壊さなければならない壁がたくさんある。以前は、トップチームとアカデミーがデータを共有しておらず、トッププレーヤーがどこから来るのかという情報も共有していなかった。私たちのゴールはチームをひとつにすることであり、そのためにはすべてがうまく機能する必要がある」と、チェルシーを改革する必要があると新オーナーは説いている。
そのうえでベイリー氏は「私たちが下した決断には、トーマスが私たちと同じように考えているかどうか分からないという現実があった。誰が正しいとか間違っているとかではなく、将来のビジョンを共有できていなかった。ザグレブ戦がどうかではなく、ビジョンの問題だ。1試合の勝った、負けたで決めたわけではない。クラブにとって、これが正しいビジョンだと考えての決断だ」と話した。
今季のCL開幕戦で伏兵ディナモ・ザグレブに敗れたことが引き金になったという見方が強かったが、新オーナーはトゥヘル氏と将来のビジョンを共有できなかったことが解任の理由だと強調した。すでに同リーグのブライトンからグラハム・ポッター監督の引き抜きに成功したチェルシーだが、米国人オーナーのベイリー氏は存在感を見せることになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)