J助っ人マテウスが語る、“豪快25mミドル弾”の裏側 磐田戦で驚愕ゴール…「シュートを打つ判断をした」瞬間の景色とは?
「フットサルをやったことが、サッカー人生にとって、大きな価値があった」
――このキックのポイントは?
「感覚として、巻いたシュートを打ったら、もしかしたら力が足りない状態になってGKが間に合うと思ったので、強いシュートを打とうと思いました。そこで完全にインサイドで蹴るのではなく、ややインステップ気味にシュートをしました。自分が意識していたのは、速いシュートを打つこと。そこが、このゴールの一番のポイントだったと思います」
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――強いシュートを打とうとすると、ボールが浮いてしまうと思いますが、このように抑えられた秘訣はありますか?
「試合中の感覚的なものなので、言葉で説明するのはとても難しいのですが、ボールの真下を蹴るのではなく、ボールの上の部分を蹴り、落とすようなイメージで足を振ることを意識しました。あの強さでボールの真下を蹴ると、どうしても上にいってしまうので、ボールを叩くようなイメージで打つようにはしています」
――「これぞマテウス選手」というスーパーゴールでしたが、決まった直後の感想はいかがでしたか?
「どういう形で喜ぶのか、全く決めていなかったのですが、家族がスタジアムに来てくれていました。父が見に来てくれると、いつも幸運が訪れますし、『今日も必ず決めてくれる』と言われていたので、決めた瞬間はメインスタンドに走って行き、家族の近くに行って、みんなで喜びを分かち合いました」
――今回のゴールは、マテウス選手のキャリアの中で、何番目のベストゴールですか?
「いろんなゴールがあったので、すごく難しい質問ですね(笑)。大宮アルディージャ時代にジュビロ磐田戦で決めたボレーシュートも記憶にありますし、昨年の川崎フロンターレ戦のFKも印象的ですね。その2つと並んで、自分のなかではトップ3に入ると思っていますが……1位かと言われると、ややクエスチョンマークも残りますね(笑)」
――この試合は久しぶりの声出し応援でもありました。サポーターの反応も嬉しかったのではないですか?
「アップの時から、久しぶりのサポーターの声援を感じて、雰囲気も与えられるエネルギーも違います。大きな変化になったと思いますし、そうしたなかで最後の最後にチームの勝利に貢献できたのは、大きな喜びです」
――ミドルシュートは昔から得意だったのでしょうか?
「ブラジルの時からロングシュートやミドルシュートでゴールを決めたりすることがありました。フットサルをやっていた時も、強いシュートを決めた記憶があります。そうした特徴、プレースタイルがあるので、自分にとっては、得意なプレーです」
――こういうキックを蹴るために、サッカーをしている子供たちにアドバイスはありますか?
「キックというのは、人、それぞれのものです。人によっては、あまり力を入れずに技術でシュートを打ちます。僕は技術とパワーを使い、ボールに当てに行きます。インサイドをしっかり使ってボールに当てて、GKの前に落としたり、ブレるボールを蹴ったりするのが得意です。ただ、それは人それぞれなので、アドバイスをするのは、なかなか難しいですね」
――練習の時には、どう蹴れば、自分はどういうボールが飛ばせるのかという感覚を掴むことが大事なのでしょうか?
「シュート練習をしている時は、いつも同じ場面ができるわけではありません。試合になれば、さらにどんな状況になるか予測できません。いろいろな場面でシュート練習したり、フィーリングの確認をしたりしています。こういう時には、こういう蹴り方をすればいいと、アジャストをする必要があるので、自分がどういうキックができるかを知ることはとても大事になります。ただ、試合になると相手もいるので、そこで素早く判断しないといけません。1秒でも判断が遅れれば、思っていることができなくなります。そこはフィーリングで判断してもらい、チャレンジしてもらうことが大事だと思います」
――先ほど、フットサルをやっていた時も「こういうゴールを決めた」と話していました。フットサルとサッカーではゴールの大きさも違いますが、フットサルがサッカーの技術向上の助けになったのでしょうか?
「もちろんです。フットサルをやったことが、今のサッカー人生にとって、大きな価値があったと感じています。フットサルのボールは、サッカーボールよりも重いんです。僕はサッカーとフットサルを同時にやっていたのですが、その組み合わせが重要だったと思います。特にフットサルの時は、今回のようなシュートを決めることができていました。両方を組み合わせてやることが、すごく大事だと思います。今度、豊田市でフットサル日本代表とブラジル代表の試合があるので、レオ・シルバと『見に行きたいね』と話していて、一緒に見に行く予定です。僕たちは本当にサッカーが大好きで、夜中に起きてブラジルの1部だけでなく、2部、3部の試合もテレビなどで見て研究しているんです。ですから、今度のフットサルの代表戦も見に行きたいと思っています」