「なぜジャカは冨安を怒鳴った?」 アーセナル“悪童”のリーダーシップに英メディア脚光
ジャカはELチューリッヒ戦で、得点直後に冨安に向かって大声で指示
イングランド1部アーセナルのスイス代表MFグラニト・ジャカは、かつてサポーターとの衝突でキャプテンの座を剥奪されるなど素行の悪さがクローズアップされてきたが、改めてその優れたリーダーシップが脚光を浴びている。
今季プレミアリーグで開幕5連勝を飾るなど絶好調のアーセナル。その中でジャカはボランチの一角として目覚ましいパフォーマンスを見せており、快進撃の原動力となっている。
29歳のジャカはアーセナルでキャプテンも務めたが、2019年10月のクリスタル・パレス戦で途中交代した際にブーイングしたサポーターに向かって暴言を吐いたことが問題視され、当時のウナイ・エメリ監督からキャプテンを剥奪された過去がある。その後、退団の噂も過熱したが、現在もアーセナルに残ってレギュラーポジションを確保している。
感情的になりやすい性格や荒々しいプレーは健在だが、今やミケル・アルテタ監督のチームに欠かせない存在となっているジャカ。母国スイスへの遠征となった現地時間9月8日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)第1節FCチューリッヒ戦(2-1)では再びキャプテンマークを巻いてプレーし、勝利に貢献した。
英地元メディア「フットボール・ロンドン」は、「なぜジャカは冨安を怒鳴ったのか?」とFCチューリッヒ戦での一幕に着目し、ジャカのリーダーシップを称えている。
「このスイス代表はFCチューリッヒのファンからのチャントにも動じることなく、素晴らしいプレーを見せた。可能な限り攻撃をサポートしながら、アルベール・サンビ・ロコンガを助けるためにより規律のある役割もこなした。エディ・エンケティアの決勝ゴールのあとには冨安健洋に向かって大声で叫び、よりフィールドの内側に入ってくるように促すなどリーダーシップを十分に発揮していた」
ジャカは得点の直後に日本代表DF冨安に向かって大声で指示を出すなど、ピッチ上の指揮官として存在感を放っていたようだ。試合の後半にはジャカが負傷したかに思われる場面があったが、同メディアは「この29歳が負傷してピッチから引き上げそうになった時、アーセナルのベンチはパニックに陥っていた。その事実は彼がいかにガナーズにとって重要であるかを示していた」とジャカの重要度の大きさを強調した。
試合前の記者会見でもアルテタ監督が「彼は本当にいいプレーをして、安定している。我々にとって本当に重要な選手」と語っていたことからも分かるように、絶大な信頼を受けているジャカ。近年の大型補強に注目が集まっているアーセナルだが、2016年から在籍するレフティーが躍進を支えている。
(FOOTBALL ZONE編集部)