ソシエダ久保建英のアトレティコ戦を現地記者はどう見た? “ダメージを与える役割”を高評価「シルバに代わって上手く遂行した」
現地スペイン局の番記者が「“幻のゴール”を素晴らしいパスでお膳立て」と称賛
スペインのラジオ局「カデナ・セル」でレアル・ソシエダの番記者を務めるロベルト・ロマホ氏がアトレティコ戦後、今季初めて後半途中からの出場となった久保のパフォーマンスについて語ってくれた。
「試合がかなりヒートアップしていた後半に投入されたけど、クボは監督に求められていたこと、『相手のライン間に入り、アトレティコにダメージを与える』というシルバの役割を、シルバに代わって非常に上手く遂行したと思う」と指揮官の要望に応え、チームの柱であるベテラン選手の仕事を遜色なくこなしたことなく点を高く評価した。
続けて、「実際、サディクの“幻のゴール”を素晴らしいパスでお膳立てし、その後も“ゴール・オリンピコ(CKから直接ゴールすること)”をあとわずかで決めるところだった」と与えられた短い時間の中で見せ場を作ったことを際立たせた。
また同記者は交代出場の難しさについて「途中出場からだとチームメイトとの連係は全く簡単ではないし、特に今日のようにゲームが白熱しているなか、交代でピッチに入るのはコンディションが仕上がっていないとなかなか厳しいものだけど……」と説明しつつ、「でもクボは最初から、これまでの試合同様の素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と、体調不良明けであるにもかかわらず、その影響を感じさせずにいつもどおりの動きを見せ、上手く流れに乗ったことをポジティブに捉えていた。
久保はここまでリーガ4試合(先発3試合)、225分出場し、1得点0アシスト。この後、今季初めて1週間に2試合という過密日程に直面し、チームの総力戦となるため、新戦力が加わりFW陣のポジション争いが激化しているものの、久保に間違いなく数多くのチャンスが訪れるだろう。
8日にUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループリーグ初戦でマンチェスター・ユナイテッド、続いて11日にラ・リーガ第5節で古巣ヘタフェと、それぞれアウェーで対戦する。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。