浦和、鹿島戦ビハインドで“FW→MF交代策”の訳 ロドリゲス監督が明かした狙い「非常にいい攻撃ができた」

浦和を率いるリカルド・ロドリゲス監督【写真:高橋 学】
浦和を率いるリカルド・ロドリゲス監督【写真:高橋 学】

鹿島戦で2-2ドロー 浦和のロドリゲス監督「いい交代でチームが好転した」

 浦和レッズは9月3日のJ1リーグ第28節、鹿島アントラーズとのアウェーゲームを2-2で引き分けた。2点ビハインドから追い付いた試合展開は、後半の交代策でプレッシング型に切り替えたことが呼び込んだ側面があった。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 浦和は先月にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区の決勝トーナメントを勝ち抜いて、来年2月の決勝戦へと進出した。しかし、7日間で3試合を戦う激闘で日本代表DF酒井宏樹が右下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れを発症していたことが試合後に明かされたように、肉体的にも精神的にもギリギリの戦いを乗り越えていた。そして、今週に入っては新型コロナウイルスに陽性反応を示した選手もいたことが発表された。

 主将のGK西川周作らの主力を数人欠いた試合は前半16分にクロスから失点すると、続く前半27分にはミドルシュートをGK鈴木彩艶が処理し切れずゴール内へ。試合後に鈴木は「岩波(拓也)選手に少しボールが当たって、最初に見えないところから出てきた。ボールスピードも速くなく、あれはGKが防がなければいけないボールだった。身体が上向きに開いてしまったことが1つの原因であるかなと思った」と、その失点を悔やんだ。

 しかし、前半30分にこの日スタメンでは左サイドハーフ起用だったMF松尾佑介が1点を返すと、後半22分には1点ビハインドながらFWキャスパー・ユンカーを諦め、ボール奪取に優れるMF柴戸海を投入した。追い付くことが求められるなかでの交代策について、リカルド・ロドリゲス監督はこう語っている。

「まず、小泉(佳穂)と松尾の連係を生かしたかった。中盤の選手をFWに替えて入れることは、点を取らないという意味ではない。事実として、ラストの時間帯は非常にいい攻撃ができていたと思うし、いい交代でチームが好転したと思っている」

 ACLの戦いでも特に東南アジア勢を連破したゲームで猛威を振るった前線からのプレスがこの交代から機能し始めた。ユンカーの決定力は魅力だが、2トップに松尾と小泉が並んで相手のボール運びを誘導するところから全体がコンパクトに押し上げていく形は、それまで鹿島の攻撃を待った上でのカウンターに傾きかけていた浦和の攻撃を変化させた。攻撃のスタート位置が高くなり敵陣に押し込むようになると、そこから得たフリーキックから後半24分に岩波が同点ゴール。残り時間も攻め立てたが、勝ち越しには至らなかった。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング