「あれは防がなければいけない」 浦和GK鈴木彩艶、“痛恨失点”に悔しさ露わ…指摘したミスの要因とは?
鹿島戦で今季リーグ戦初スタメンの浦和GK鈴木彩艶、失点シーンについて反省
浦和レッズのGK鈴木彩艶は9月3日のJ1リーグ第28節、鹿島アントラーズとのアウェーゲームに今季のリーグ戦初スタメンで出場したものの、ミスからの失点もあり2-2の引き分けに終わった。試合後には「あれはGKが防がなければいけないボールだった」と、鹿島の2点目になったシュートを振り返った。
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浦和は先月にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメントで東地区を勝ち抜いて、2月の決勝戦へと進出した。しかし、この鹿島戦を前に数名の選手にコンディション不良が発生し、主将のGK西川周作が欠場。鈴木は今季、ルヴァンカップやACLのグループステージでは出場していたものの、リーグ戦では初スタメンになった。
西川のほかにDF酒井宏樹、MFダヴィド・モーベルグのACLで右サイドを制圧したコンビも欠場となった浦和は序盤にペースを鹿島に奪われると、その右サイドからのクロスで前半16分に失点。FWアルトゥール・カイキに叩かれたヘディングシュートについて鈴木は「鹿島はクロスを入れてくるのが強み。まだ映像は見ていないので分からないけど、自分がどうポジションを取っていたのかを振り返って防げるようにしたい」と話す。
そして、このゲームで鈴木が良くない形で目立ってしまったのが前半27分の場面だった。ゴール正面からカイキの放ったミドルはそれほど強いボールではなかったが、身体を倒してのセービングを試みた鈴木の手に当たったボールはゴール内へ。ゴールポスト方向に飛びついて触ったボールが、その逆のゴール中央方向に飛んでいる点から見ても悔やまれる要素の大きな失点になった。
「岩波(拓也)選手に少しボールが当たって、最初に見えないところから出てきた。ボールスピードも速くなく、あれはGKが防がなければいけないボールだった。身体が上向きに開いてしまったことが1つの原因であるかなと思った」
セービングする瞬間に体がやや上にめくれてしまうところは、昨季までのトレーニングでも指摘されていることがあった。それによって自分の近くでバウンドするボールに対して、手の角度が斜め上を向くことでボールが後ろに逸れやすくなってしまう。リーグ戦では昨年6月以来の出場というチャンスだったが、そこで課題が顔を出してしまった。
190センチ台の身長と恵まれた体格の持ち主であり、2024年のパリ五輪を目指す世代でありながらも昨年の東京五輪に“飛び級”でメンバー入り。今年7月には国内組で臨んだA代表のE-1選手権にも選出され、香港戦で代表デビューも果たした。浦和の西野努テクニカル・ダイレクター(TD)も「浦和の宝、日本の宝」と表現したこともあり、その才能は誰もが認めている。このゲームでも敵陣深くまで蹴り込むキック力を生かし、MF松尾佑介やFW明本考浩がゴールに迫ろうかという形を導いたプレーもあった。
鈴木は試合後に「こういうゲームこそ結果が求められる。そのなかで防がなければいけない部分を出してしまって、結果的に引き分けで終わったのは非常に悔しく思う。まだまだゲームは続いていくので反省して、次に生かせるようにしたい」と語る。
浦和はルヴァンカップで準決勝に進出しているため、今月にはセレッソ大阪と2戦合計で争う試合も組まれている。先月の準々決勝、名古屋グランパス戦では2試合とも鈴木がゴールを任せられて突破した。昨年大会でも同じ準決勝でC大阪と対戦し、2試合とも鈴木が出場して敗れただけに、リベンジのチャンスが回ってくる可能性も十分だろう。
20歳になったばかりの鈴木にとっては苦い試合になってしまったが、この経験を乗り越えて成長する姿も同時に期待される。