カタールW杯行きの日本代表FW「序列検証」 軸だった大迫が後退、唯一の“選出濃厚”は?
ベルギーに移籍した上田、スピードの浅野がどこまでアピールできるか
もう1人、ポルトガル1部サンタ=クララに所属する田川亨介が開幕からスタメン出場を続けているが、得点は記録できていない。ライバルがなかなか結果を出せていない。現状では古橋と上田、そして”森保ジャパン”で実績十分の浅野拓磨が順当に招集されるのではないか。前田も所属クラブで結果を出せていないが、26人枠ということで、危険なジョーカーにもなりうる特長を考えれば引き続き招集されるかもしれない。
そして大迫以外のJリーグ組だが、9月のドイツ遠征に最も近い存在は武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)か。彼も怪我明けだが、現状の大迫よりはコンディションが良く、残りの数試合でさらに上げていくことは可能だろう。E-1選手権で3得点の町野修斗(湘南ベルマーレ)は再開後に得点を奪えていないのはやや割引き要素ではある。パリ五輪世代の細谷真大(柏レイソル)も7月30日の神戸戦で見事な決勝点を決めたが、その後4試合はゴールという結果でアピールできていない。
FW陣の状況次第では堂安律が好調の右サイドから伊東をFWに回して、古橋との高速型2トップ、オプションとして久保を組ませるようなオプションも考えられないことはない。9月の欧州遠征が事実上の最後のテストにはなるが、結果で示せる分かりやすいポジションでもあるので、いい意味で森保監督を悩ませる競争に期待したい。
■FWのカタールW杯有力候補(4人想定)
◎古橋亨梧(セルティック/27歳)
○浅野拓磨(ボーフム/27歳)
○上田綺世(セルクル・ブルージュ/24歳)
△前田大然(セルティック/24歳)
△武藤嘉紀(神戸/30歳)
△大迫勇也(神戸/32歳)
△町野修斗(湘南/22歳)
◎=濃厚、◎=有力、△=当落線上
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。