カタールW杯行きの日本代表FW「序列検証」 軸だった大迫が後退、唯一の“選出濃厚”は?

1トップでスタメンの座を掴む選手は?【写真:高橋 学】
1トップでスタメンの座を掴む選手は?【写真:高橋 学】

【識者コラム】1トップ候補は4人想定 アピール不足の大迫に代わって古橋が急上昇

 森保ジャパンにおいて、「FW」は現時点で最も序列を付けることが難しいポジションと言える。森保一監督はメンバー選考においてFWとMFを分けずに表記しているが、ここでは1トップで起用されうるアタッカーという基準でFWを整理したい。

 つまり浅野拓磨(ボーフム)、古橋亨梧、前田大然(ともにセルティック)といった選手たちはサイドハーフやウイングでの起用もオプションとなるが、1トップの候補ということでFW扱いする。南野拓実(ASモナコ)や鎌田大地(フランクフルト)もこれまで1トップで起用されたこともあったが、現在は2列目がほぼ定位置であるため、今回は対象外とする。レアル・ソシエダで2トップに起用されている久保建英、代表では右サイドの絶対的な主力である伊東純也も、代表基準でMFとして考える。

 26人枠となるなかで、本職のFWは4人か。もともと、このポジションは前回のワールドカップ(W杯)から引き続き大迫勇也(ヴィッセル神戸)が、絶対的な存在として君臨していた。しかし、FWとしての出場機会を求めて、ドイツからJリーグに復帰してからコンディションが上がらず、W杯アジア最終予選の終盤戦では大迫を信頼してきた森保監督も一度外さざるを得なかった。

 ここにきて神戸でも徐々に出場時間を増やしていたが、ACLの期間中に負傷した様子で、準々決勝の全北現代(韓国)戦では元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとともにスタンドから試合を見守ることとなった。そして敗退後も別メニューが続き、メンバー選考前の最後のテストの場であるドイツ遠征を前にしたJリーグの数試合に出場できるかも不透明になっている。

 そうした状況にあって、クラブレベルでの評価をグングンと高めているのが、スコットランドのセルティックに所属する古橋だ。最終予選のラスト2試合は怪我でメンバー外だったが、新シーズンはリーグ戦でダンディー戦のハットトリックを含む6得点を記録しており、リーグ得点王に向けて幸先良いスタートを切っている。一方で同じセルティックの前田は出場チャンスこそ得ているものの、なかなか目に見える結果を出せていない。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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