元主審・家本政明氏が選ぶ「天才」…2人の日本人選手とは? “国宝級”から受けた「なぜ」の衝撃「思考を超越した世界の住人」

札幌でプレーするMF小野伸二【写真:グレアトーン】
札幌でプレーするMF小野伸二【写真:グレアトーン】

天才と同じピッチに立った時、レフェリーとして最も気にすることは?

 レフェリー目線で言うと、天才と呼ばれる選手たちと同じピッチに立った時、最も気にするのが相手チームによるファウルの質と強度。国宝級に大事な選手たちの不慮の怪我はできれば防ぎたいと思うのは、レフェリーも同じです。天才と呼ばれる選手たちが怪我に泣くケースは本当に多いですからね。

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 もちろんすべての選手は守られるべきですが、小野選手や久保さんのような存在感抜群の選手は、相手からどうしても狙われやすいのが実情です。例えば球際だったり、パスやシュートをしたあとのアフター気味のファウルというのはよくあるケースです。

 レフェリーとしては、選手たちのプレー自体はコントロールできませんし、狙われるのを防ぐこともできません。ただ、できるだけ危ないシーンが生まれないように、事前に危険な芽を摘んだり、試合の流れを落ち着かせたりすることはできるので、そうした試合進行は常に意識していました。

 小野選手と久保さん、2人の天才に言えるのはどこか日本人離れしていて、僕の思考を超えて芸術性や創造性を感じさせてくれる選手だということ。凄い選手たちは、どちらかと言うと思考の世界の最高峰というイメージ。一方の天才は、思考を超越した世界の住人であり、唯一無二の何かを持っているという印象です。

 天才に接した人たちは、なにが凄いのか上手く言語化できなくても、肌身で感じる何かがあったはずです。そんな言葉に出来ない何かを感じさせるのが、天才たるゆえんなのかもしれません。

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【オンライン配信イベントの対象試合】
9月3日(土) 18時キックオフ
J1リーグ第28節
鹿島アントラーズ vs 浦和レッズ

【オンライン配信イベントの開催日時】
9月3日(土) 17時55分からライブ配信

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(FOOTBALL ZONE編集部)

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家本政明

いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。

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