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マンチェスター・Uの現在地 10人の戦いでマンチェスター・Cを押し返し、復活の兆しが見えたレッド・デビルズ
モイーズ以上の不振にも関わらず、欧州CL出場圏内までわずか4点差
それに先発メンバーを見ても、シティ側はこのダービー戦に出場した今季加入選手はボランチのフェルナンドだけだ。それは、ここ数年主力が固定されている証拠でもあり、例えば中盤、SBのサイド2選手にボランチが絡んで、ワンタッチの連携で素早くボールを縦に運ぶプレーを見ても、同じメンバーで修練を積んだ熟成を感じさせ、シティのチームとしての完成度の高さをうかがわせる。
一方のユナイテッドの先発には、CBロホ、左SBショー、ボランチのブリント、左MFディ・マリアと今季加入選手が4人。さらにヤヌザイ、フェライニも2シーズン目で、まだまだ“流れるような”と形容できる連携は少ない。
しかも、この試合ではファン・ペルシーの運動量の低下が目立った。リーグ戦で24ゴールを決めた初年度は、トップ下に降りてルーニーと頻繁にポジションチェンジを行ったり、左サイドに開く動きも多く、ユナイテッドの攻撃に多様性を持たせたが、このダービーではそうした動きが激減。前半のボールタッチ数も極端に少なかった。
そんなファン・ペルシーのプレーの一方で、ルーニーとディ・マリアの運動量は豊富で、個人技の質も光った。そしてブリントの守備センスが際立った。
この試合で今季問題視され続けているマンチェスター・Uの守備に安定感が生まれたのも、オランダ代表MFが豊富な横の動きで最終ラインをカバーし、2対1の形を作って相手の攻撃に対応したのが大きな要因だろう。
スモーリングが退場し、ベテラン・ボランチのキャリック、それに19歳の北アイルランド人ボランチ・マクネアという、ここでこうして記述しているだけでも、マンチェスター・Cの攻撃陣相手に目をつぶりたくなるような急造センターバック・コンビで、わずか1失点で切り抜けることができたのもブリントの功績だ。ダブルボランチの相棒であるフェレイニの守備がフィジカル頼りで知性に欠けることもあり、ユナイテッド内でオランダ代表の価値は上がる一方だ。
攻撃陣は、ファン・ペルシーが低迷する一方、ルーニー、ディ・マリアの調子は上々。ブリントの加入で守りも目星もつき、こうして攻守に核となる選手が現れれば、10試合でわずか13点の勝ち点ながらも今後の飛躍は確実だ。
こうした上昇気流に乗りはじめたチーム事情に加えて、今季は上位陣の成績がふるわない。8勝2分の無敗ですでに独走態勢に入った首位チェルシーは別格として、4位アーセナルの勝ち点は『17』。モイーズ以上の不振にも関わらず、欧州CL出場圏内まで、その差はわずか4点となっている。