延長後半に一度は勝ち越しを許すも、土壇場で同点に追い付いてPK戦へ

　浦和レッズは8月25日のAFCチャンピオンズリーグ（ACL）準決勝、全北現代（韓国）戦に2-2からもつれ込んだPK戦の末に勝利した。土壇場での同点劇に、PK戦を後押しした巨大フラッグの数々と、そこには浦和の伝統がいくつもあった。

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　浦和は4月にタイで集中開催になったグループステージで2位通過し、この決勝トーナメントでは東南アジア勢を連破して上がってきた。この全北現代戦も前半11分に日本代表DF酒井宏樹が入れた高速クロスを、FW松尾佑介が押し込んで先制するところまでは順風満帆な試合運びだった。

　しかし、徐々に全北現代にペースを奪われると後半の立ち上がりにはPKを献上。DF大畑歩夢のプレーがファウルかどうかは微妙なものでビデオ・アシスタント・レフェリー（VAR）が映像確認を進言したほどだが判定は変わらなかった。これを決められて同点とされると、後半終了間際にFWキャスパー・ユンカーが迎えたビッグチャンスもゴールポスト直撃で勝ち越せずに延長戦へ突入した。

　延長戦では、FW江坂任に2回ほどゴール前のチャンスが回ってきたがいずれも決められず。逆に延長後半11分にショートコーナーへの対応が遅れたところを勝ち越しゴールされた。

　しかし、ここで終わらないのが浦和の伝統でもあった。埼玉スタジアムでの開催という舞台装置もさることながら、最後まで諦めない大歓声と手拍子をバックに攻撃を仕掛けると延長後半15分、酒井が右サイド深くまで進出して折り返したクロスのこぼれ球をMF大久保智明がシュート。これは当たりが悪かったが、DF明本考浩がヘディングでコースを変え、GKが弾いたところをユンカーが押し込んだ。

　PK戦に入ると実施されたサイドは浦和サポーターの陣取る北側のゴール。全北現代のキックの際には集中を乱すべくおびただしい数のフラッグが振られ、浦和のキックの際にはピタリと静寂に包まれる。その環境で主将のGK西川周作が2本ストップし、さらに1本が枠外へ。浦和は1人失敗したものの4人目の江坂が決めて2-2からのPKスコア3-1で勝利となった。