「読みは当たっていた」 浦和GK西川周作、ACL決勝進出を呼ぶ“魂の2本連続PKストップ”が生まれた舞台裏

2本のPKストップで勝利に貢献したGK西川周作【写真:Getty Images】
2本のPKストップで勝利に貢献したGK西川周作【写真:Getty Images】

試合中のPKは決められるも、精神的にポジティブに働く

 浦和レッズの主将GK西川周作は、8月25日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝の全北現代(韓国)戦で、2-2からもつれ込んだPK戦で2本連続シュートストップ。チームを決勝進出に導いた。

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 浦和は西川がリーグ戦に出場する一方で、4月にタイで集中開催されたグループステージでは4試合をGK鈴木彩艶が守った。ラスト2試合を西川がスタメン出場したが、最終戦ではGK牲川歩見と途中交代。しかし、この決勝トーナメントに入ってリカルド・ロドリゲス監督は迷うことなく西川を起用した。ラウンド16のジョホール・ダルル・タクジム(JDT/マレーシア)戦と準々決勝のBGパトゥム(タイ)戦はいずれも大勝だったが、見せ場はすべてこの準決勝に残っていた。

 浦和は前半に先制するも後半にPKを献上。この場面で西川は相手キッカーのMFペク・スンホのキックに対して右に飛んだが、ボールはむしろコースが甘くて西川の身体の下を抜けた。しかし、これは後の伏線になった。

 両者とも短期決戦の3試合目で後半終了間際から延長戦はオープンな打ち合いとなった。浦和もカウンターで危ないピンチがあったが、西川は冷静に防いだ。長身FWグスタボ目掛けたクロスも可能な限り飛び出して防いだ。ショートコーナーから勝ち越しを許すも土壇場で追いついた浦和はPK戦に持ち込んだ。

 そして、西川は相手の1本目、左利きのMFキム・ボギョンのキックを冷静に「身体が開いたら右だ」と判断してセーブ。2本目のMFイ・スンギは正面を狙ってきたが、左に飛んだ西川は右足を残してボールを蹴り上げた。3本目のMFパク・ジンソプのキックでは右に飛んだが、その先の良いコースに決められた。そして4人目、DFキム・ジンスのキックでは読みを外したが、狙い過ぎたシュートはゴールポストに当たって外れた。浦和はその間に3人が決めてPK戦を制した。

 西川は「試合中のPKも読みは当たっていたので、落ち着いてゴールマウスの前に立つことができた」と、決められたものの90分の中で起こった1本が精神的にいい方向に向かったと話す。

 そして「PKは5本あるので、最初のうちは遅れてでもそっちに飛ぶとか」と、いかにしてキッカーにプレッシャーをかけていくかという観点も話した。枠外に飛ばしたキム・ジンスが蹴る前の通算4本、西川はすべて止めるか同じ方向に飛んでいる。ギリギリのいいコースに蹴らなければという圧力がキッカーに掛かったとも言えた。

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