ソシエダ久保建英、“FW暫定起用”の真相は? 現地記者が考察…絶対的エース復帰までが勝負「タケには時間が残されている」

久保建英の起用法について考察したスペインの通信社「EFE通信」のカルロス・ロドリゲス・バレーロ記者【写真:高橋智行】
久保建英の起用法について考察したスペインの通信社「EFE通信」のカルロス・ロドリゲス・バレーロ記者【写真:高橋智行】

久保のFW起用は暫定的、理由はエースFWの存在「復帰はまだ先のこと」

 しかし久保が今後もずっとFWでプレーするかについては、あくまで暫定的なものだと考えている。その理由に昨季終盤から長期離脱しているオヤルサバルの存在がある。

 ソシエダは昨季、リーガを6位という好順位で終えたにもかかわらず、シーズンを通じて決定力不足に苦しみ、わずか40得点しか挙げられなかった。この数字は20チーム中11番目と、ヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得したチームにしては非常に物足りないものだ。

 その原因の1つとして、センターフォワードのイサクが不振に陥り、わずか6得点に終わったことが挙げられていた。しかし最大の原因は、攻撃の主軸であるオヤルサバルの負傷欠場に他ならない。

 チームで10番を背負うスペイン代表FWのオヤルサバルは昨季開幕後、負傷するまでのリーガ8試合で6得点と、急ピッチでゴールを量産。第8節終了時のリーガ得点ランキングでは、最終的にピチチ賞(リーガ得点王)に輝いたフランス代表FWカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)に次ぐ2位につけていた。しかしその後、怪我でリーガ計14試合の欠場を余儀なくされた。それでも通算9得点を記録してチーム得点王だったため、エースの早期復帰を待たれているところだ。

 同記者はオヤルサバルの現状について、「復帰はまだ先のことで、あと3~4か月はかかるだろう」と年内復帰が難しいことを明かし、「そのためタケには自分の力を示す時間がまだたくさん残されている」とオヤルサバルの欠場が続く間、久保がFWのレギュラーとして出場できる可能性が高いことを示唆した。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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