「また弟と入れ替わった」3戦不発の本田に伊地元3紙がそろって「4.5」
「序盤は花火、今は爆竹」
ACミランの日本代表FW本田圭佑が2日のパレルモ戦(0-2負け)で3試合連続不発に終わり、イタリア地元スポーツ紙全紙から酷評を受けた。全紙そろって「4.5」という落第点の上に「また弟と入れ替わった」「序盤は花火、今は爆竹」など厳しい表現でプレーを批判されている。
「ガゼッタ・デロ・スポルト」紙の採点は4.5点。シュートは0本。ドリブル突破は1度試み成功。前線に効果的な縦パスがなかったデータも紹介された。寸評では「ホンダ(バイク)というよりスクーターだ。スローで、距離を縮めれば、動きを予測されてしまう。立ち止まり、ドリブルもしない。方向も変えない、セットプレーも不正確」と痛烈な言葉が並んでいる。
チーム最高点は、完敗ながら守護神のディエゴ・ロペスの7点だったことから、いかにミランが劣勢に立たされていたかが明白となっている。攻撃陣では本田が最低評価で、イタリア代表FWステファン・エルシャラウィが6点。FWフェルナンド・トーレス、ジェレミー・メネズが5点で並ぶ。一方、チーム最低評価は、オウンゴールのDFクリスティアン・サパタだ。
「コリエレ・デロ・スポルト」紙も4.5点で「べローナ戦で2ゴール決めた後、明らかにまた弟と代わってしまった……昨シーズンプレーしていた弟だ」と厳しい寸評が付けられた。今季6得点2アシストと輝いた序盤戦で、ミランのアドリアーノ・ガリアーニGMは移籍一年目の昨季不振だった本田について、「去年の本田は弟だった」と冗談交じりに変貌ぶりをたたえた。同紙はそれを引用し、輝けなかった昨季の“本田の弟”に逆戻りしたと嘆いた。
最高点はこちらもGKディエゴ・ロペスの7点。前線では途中出場のFWジャンパウロ・パッツィーニが5点をつけ、トーレスは本田と同じ4.5点。メネズとサパタが4点でチーム最低点となった。
「トゥット・スポルト」紙も4.5で並ぶ。「今季序盤の試合は花火、今は爆竹。だから自然と疑問は挙がってしまう。どちらが本物の本田なのだ?」と本田の実力に懐疑的な寸評を付けた。ゴールラッシュの序盤と、3戦不発の現在の落差を美しい花火と、小さな爆竹というコントラストで表現した。
最高点は同じくディエゴ・ロペスの7点。攻撃陣では本田と、メネズが4.5で並び、トーレスは4。サパタの3が最低点となった。
鮮やかなゴールラッシュでミランのスタートダッシュに貢献したころの本田はイタリアで称賛の嵐を手にした。だが、3試合の沈黙で弟呼ばわりされるなど、カルチョの国のメディアは厳しい。背番号「10」という重責を担うだけに、再びチームの勝利に貢献し続けることが肝要のようだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images