好調浦和で躍動する“新3番”の存在感 伊藤敦樹が語る「相手を圧倒できている」要因は?
試合途中で足をつって交代も「しっかりリカバリーをして次の試合に向かいたい」とコメント
浦和レッズのMF伊藤敦樹は、8月22日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝のBGパトゥム(タイ)戦に4-0で勝利したゲームのプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に選出された。危惧された後半の交代についても「つっただけなので大丈夫。しっかりリカバリーをして次の試合に向かいたい」と話した。
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伊藤はダブルボランチの一角でスタメン出場すると、ダイナミックなプレーを見せた。右サイド側からMFダヴィド・モーベルグやDF酒井宏樹と連携しながら攻撃に参加する一方で、攻撃が終わった瞬間には即時奪回のプレスに出るチームの中でボール際の強さも見せた。
今の好調さを伊藤は「ここ数試合、攻守の切り替えはみんなしっかり意識できているし、そこで相手を圧倒できているのかなと、やりながら感じる。今は攻守の切り替えができているからこそ攻撃する時間も長くなっていると思うし、そこからチャンスも作れている」と話した。
アジアサッカー連盟(AFC)が公開する試合データでは、伊藤はこのゲームでパス成功率が88%を超え、敵陣での成功率も85%以上。後半には長い距離をドリブルで持ち上がった後にFW小泉佳穂のゴールをアシストするなど、結果でも力を示した。
後半途中にピッチに倒れ込んで、駆け寄ったDF岩波拓也から「×」マークが出てMF安居海渡との交代となっただけに状態が危ぶまれたが、POMとして試合後の記者会見に姿を現すと、「つっただけなので大丈夫。しっかりリカバリーをして次の試合に向かいたい」と、少し恥ずかしそうな表情も浮かべながら話した。
幼少期から浦和のファンで、中学からは浦和の下部組織で6年間を過ごした。直接のトップチーム昇格はならなかったが流通経済大経由で昨季に浦和へ加入すると、大卒1年目からほとんどの公式戦に出場。今年は、同じように下部組織から流経大経由で浦和に加入して長年プレーしたDF宇賀神友弥(現FC岐阜)から「3番」を受け継いだ。
高さもあり、攻守にレベルの高いプレーを見せる伊藤はチームの中心になりつつある。このACLで声出し応援が可能となっているなか、浦和サポーターが歌う伊藤のチャントは、かつて浦和に所属して日本代表の主将も務めたMF長谷部誠に使用されていたもの。大卒ルーキーの昨季につけていた背番号は、長谷部の「17番」だった。
浦和は今大会で3回目のアジア制覇を目指しているが、初優勝の2007年大会で長谷部は準決勝の城南一和(韓国)戦での同点ゴールなど優勝に欠かせない戦力として活躍。宇賀神は2017年大会の決勝で左サイドバックとしてアル・ヒラル(サウジアラビア)の猛攻を抑え込んだ。伊藤もまた浦和をアジア王者に導くような存在になることが期待される。