不振ユナイテッドのカゼミーロ獲得、“メリット&デメリット”を元英代表DFが指摘 「売却時の価値はゼロだ」
“英雄”ファーディナンド氏、カゼミーロ獲得へ年齢的な側面から持論展開
イングランド1部マンチェスター・ユナイテッドは、スペイン1部レアル・マドリードからブラジル代表MFカゼミーロを獲得した。中盤の補強を目指していたユナイテッドは、ようやく必要なポジションに選手を加えられた一方、OBの“英雄”元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏は、ネガティブな面もあることを指摘している。英メディア「Football365」が報じている。
ユナイテッドは、レアルに対して6000万ポンド(約97億円)の違約金を支払い、カゼミーロを獲得した。これはプレミアリーグのクラブが30歳以上の選手の獲得に支払った史上最高額であると同時に、世界的にも30歳の選手に対して支払った史上最高額の移籍金となっている。
この補強について、ファーディナンド氏は「ユナイテッドが必要としていたタイプの選手であり、何よりも必要としていたキャラクターの持ち主だ。個人を見れば、彼は必要な選手だ。だが、高額過ぎるか? イエスだ」と、チームに必要な選手とはいえ、獲得に資金がかかりすぎていると指摘した。
「ポジティブな面から言うと、何よりも彼は勝者であり、勝ち方を知っている。彼は近年のレアルのすべてのポジティブな面に関与してきた。ルカ・モドリッチ、トニ・クロース、カリム・ベンゼマと並ぶ中心選手だった。ビッグゲームになれば、この男は存在感を出す。何をするべきかを、どこにいるべきかを分かっている。彼は何よりも、チームのための選手であり、それは私が最も大好きな点だ。戦いがある時、同じチームに最もいてほしい選手だね」
このようにカゼミーロを称賛したファーディナンド氏だが、続けて「ネガティブな面はあるか? イエスだね」と、レアルで成功を収め続けたアンカーについて、不安要素を並べた。
「まずは年齢だ。30歳。これが極めてネガティブなこととは言わない。だが、ビジネスのポイントで考えれば、次に売却する時の価値はゼロだ。総額1億ポンド(約162億円)規模の給料の選手だ。そこから釣りが来れば、ラッキーだろう」と、まずは資金面について語り、続いてリーグやクラブの違いに戸惑う可能性を続けた。
「スペインからカゼミーロが加わるチームは、あらゆる面で自信を失い、すべてのエリアで苦戦している。戦術的にも、身体的にも、メンタル的にも……。失ったものを取り戻し、クラブを再び力強く前進させるのは、30歳にとって大変なタスクだ。彼が成功を収めていたクラブは、非常に訓練されて、安定感のある選手たちがいて、不変のメソッドと哲学、プレーの方法があった。だが、彼はまったく新しい監督が率いる、新しいリーグに来る。プレミアリーグでは、自分の周りにより大きなスペースがある。そこに少し困難を感じるかもしれない。だが、チームが彼を中心に組み立てていけるなら大丈夫だろう。どうすれば仕事をやり遂げるかを知る人間が必要だ」
プレミアリーグで開幕2連敗を喫し、リバプールとの大一番を迎えるユナイテッド。今夏は補強でも後手を踏んでいる印象があるが、ファーディナンド氏のネガティブな側面を覆すだけの活躍を、カゼミーロは見せることになるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)