ACL“5発圧勝”の浦和、主将・西川周作が明かした「いつも通り」の配置 「コイントスに勝ったらそうしようと話していた」
ACLのラウンド16でジョホールに圧勝、5-0スコアで次ラウンド進出を決める
J1浦和レッズは8月19日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16、ジョホール・ダルル・タクジム(JDT、マレーシア)と対戦。前半のうちに3得点を奪って勝負を決め、最終的には5-0と大勝した。リカルド・ロドリゲス監督や日本代表DF酒井宏樹は立ち上がりの圧力をポイントに挙げた。
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浦和は4月のグループステージはタイでの集中開催で2位通過。一方のJDTは地元マレーシアでの開催で、川崎フロンターレと蔚山現代(韓国)を敗退に追い込んで首位通過してきた。16強のうち東地区から勝ち残った8チームの中ではネームバリューは大きくない相手で、横浜F・マリノスとヴィッセル神戸の日本勢対決や全北現代と大邱FCの韓国勢対決のような注目度もなかったが、だからこそ危険な試合になり得た。
リカルド・ロドリゲス監督は「やはり相手はすごく高いレベルを持ったチームで、ホームで戦えるアドバンテージはあったが、川崎がいるグループを首位で突破している。今日の試合でコントロールすべきところは相手の2トップで、これが我々にとって大切なポイントで、そこをしっかり止めることができた。いいプレーを続けていくこと、そして先日(13日)のジュビロ磐田戦を6-0で勝った後だったので、それによる気の緩みを生じさせることなく戦うことを選手たちに伝えていた」と、慢心にチームが包まれないように気を配ったという。
実際に、試合開始から前半7分にPKを浦和が獲得するまでの時間帯は、全体的にJDTが攻め込む場面も多かった。酒井は「最初の15分がああいう展開になることは予想していた。向こうの選手は帰化選手も含めてヨーロッパでのプレー経験がある選手も多く、場慣れしていたと思う。一方で僕らは国際大会に慣れていない選手も多く、国際大会は独特な雰囲気の影響でいつもより緊張してしまうもの」と、浦和のスタメンでACL決勝トーナメントの試合経験のある選手は4人のみだったことも踏まえ、その時間を大切にしていたという。
その結果、この時間帯を乗り越えた浦和はDFアレクサンダー・ショルツがPKを決め、MFダヴィド・モーベルグが芸術的なフリーキックでゴール。前半20分までに2点をリードして自分たちのゲーム展開に持ち込んだ。この後はフラットな状態で戦った時にある力の差を見せるようにゲームをコントロール。普段のホームスタジアムである埼玉スタジアムで力強い声援も受けつつ、最終的に5-0での勝利となった。
主将のGK西川周作は、コイントスの際に相手が勝ったもののボールを選択したため、すぐさまエンドの入れ替えを要求した。それは、ドロー上で浦和はアウェーサイドとなっていたゲームだったためで、ここで入れ替えることによって「いつも通り」の配置、浦和サポーターの声援を背に受ける形で前半をスタートした。西川は「監督やみんなともトスに勝ったらそうしようと話していた」と明かした。相手がエンドを取らなかったのは幸運だったが、サポーターを背負った心強さは立ち上がりを凌ぐ力にもなった。
日本勢対決は首位の横浜FMがリーグで残留争いの神戸に敗れ、韓国勢対決もリーグ戦では下位の大邱が食い下がって全北が延長戦まで戦ってようやく勝ち抜けた。一発勝負の怖さはラウンド16のほかの試合でも見え隠れしているが、浦和は周到な準備でその罠を乗り越えて3回目のアジア制覇に向けて8強まで進出した。