「“覚醒”は正しい表現ではない」 横浜FC小川航基、7年目でたどり着いた秘めたるポテンシャル発揮の“スタートライン”

今季シャドーも務めることでプレーは多彩さを増した【写真:(C) YOKOHAMA FC】
今季シャドーも務めることでプレーは多彩さを増した【写真:(C) YOKOHAMA FC】

今季「お気に入りのゴール」はアウェー岩手戦のダメ押し弾

 3月30日の第7節モンテディオ山形戦(2-1)では、ゴールまで約25メートルの距離から強烈なミドルシュートを叩き込み、大きな注目を集めた小川。今季の「お気に入りのゴール」を尋ねると、「一番嬉しかった」という観点から第18節岩手戦のペナルティーエリア外から個人技で決めた一撃を選んだ。

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「ぱっと浮かぶのは、7試合連続で得点が取れていなかったなかでのいわてグルージャ盛岡戦のチーム3点目。(2-0で迎えた)後半アディショナルタイムのダメ押し点で大事なゴールかと言われたらそうではないかもしれないですけど、僕にとってはすごく大きな得点。自分の特徴を再確認できたゴールで、安堵したというか、肩の荷が下りたような感覚があったので、一番印象に残っています」

 今季はこれまでの1トップだけではなく、3-4-2-1システムのシャドーもこなしている。最前線でのプレーにこだわりを持ちつつも、1.5列目での役割も選手としての引き出しを増やすうえで役に立っていると小川は話す。

「僕は一番前(1トップ)で勝負したい、世界を目指していくんだという思いはあります。ただ、シャドーをやることで幅が広がって、1.5列目から上がっていくこともいい経験になっているので、ポジティブに考えています。山形戦のミドル弾は、シャドーをやるなかでミドルシュートが増えてきた賜物かなと。もともとシュートは得意で、パンチのあるシュートを売りにしていますけど、それを再確認させてくれたゴールだったと思います」

「超高校級」「次世代のエース」と注目を集めてプロの世界に飛び込んだ小川だったが、6年間は葛藤の連続だった。それだけに、今季の目覚ましい活躍は「覚醒」とも言われるが、本人は「正直、(もともと)持っているものが出たという感覚が強いです」と胸中を明かす。

「自分の特徴がチームのコンセプトにマッチしていなければ活躍できないし、マッチしていれば活躍できるのがサッカー界。横浜FCは、僕の良さをどんどん引き出してくれる。四方田(修平)監督のサッカーコンセプトにマッチしたのが、一番大きなポイントだと思います。これくらいできないといけないと自分自身で思っていたし、それくらいの自信はありました。ジュビロ(磐田)時代には『今年は20点以上を取る』と毎年言っていて、実際に取れると思っていましたけど、なかなか思うように結果が出せなかった。『覚醒』という表現が正しいとは思っていませんけど、ようやく結果が出始めたので、ようやくスタートラインに立ったという印象です。ここから一気に行きたいですね」

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