プレミアリーグ日本人コンビ、三笘&冨安の“15分間”から浮かぶ日本代表への影響

アーセナル冨安、日本代表で右SBとして起用される可能性は?

 冨安も後半30分からDFベン・ホワイトに代わって登場している。ポジションは右SBだった。冨安が出てきた時点でのスコアは3-2。2失点目の直後に冨安が投入されているので、信頼の厚さは窺える。

 冨安は負傷欠場のブランクを感じさせない安定したプレーぶりだった。アーセナルもすぐに4点目をゲットして4-2でレスターに勝利した。

 冨安のプレーの質はすでによく知られている。これから徐々にプレー時間を伸ばしていくのだろう。昨季は負傷が続いたので慎重に起用していくのではないか。

 日本代表に関して言えば、三笘の短時間での働きはすでに実証済み。ブライトンで質・量ともに兼ね備えていることを示せば先発起用の可能性は高まりそうだ。ただ、切り札としての魅力もあり、プレミアデビューでもそちらを印象付けたかもしれない。

 冨安は代表でも右SBで起用されるのかどうか。DFガブリエルとDFウィリアン・サリバのCBコンビが鉄板化しつつアーセナルではSB起用になりそうだ。冨安が加わると代表の右は層が厚い。DF酒井宏樹、DF山根視来、ブラジル戦で右SBに起用されたDF長友佑都、さらにE-1で活躍したDF小池龍太もいるのだ。1つのポジションに5人は多すぎるが、冨安と酒井に負傷が絶えないので、候補は多いほうがいい。

 事情は異なるが、三笘と冨安が15分間からプレー時間をどれだけ伸ばせるかは日本代表にも影響がありそうだ。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)

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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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