鹿島の決断は“常勝軍団らしさ”の証!? 岩政新監督に期待される鈴木優磨“覚醒”への環境整備

チームを牽引するFW鈴木優磨【写真:小林 靖】
チームを牽引するFW鈴木優磨【写真:小林 靖】

岩政新監督に期待される鈴木優磨の“待遇”

 もっとも最近の鹿島が、本当の意味で鹿島らしくないのは、2019年以降なんのタイトルも獲っていないこと。最近2年はACLの出場権も逃していて、2020年は衝撃のプレーオフ敗退、2021年はプレーオフ進出すらも叶わなかった、というのが一番の問題でしょう。

 それを解決するためにヴァイラー監督を呼んだはずです。でも、鹿島は監督に合わせて鹿島のサッカーを作るのではなく鹿島のサッカーに合わせられる監督を選んできました。だから、方向が違っていると思ったからズレが大きくなる前に岩政新監督にした、と考えると「おお、鹿島は間違っても修正するのが早い」ということになって、「むしろ鹿島すごくない?」ってことになりません?

 で、岩政新監督にはぜひ見直してほしいことがあるんです。それは鈴木優磨。最近はかつて小笠原満男がやっていたチームの雰囲気の引き締めを請け負ってる気がして、それはそれでいいんですけど、ベルギーでは1シーズンで17ゴールを挙げていた選手が今年はまだ7点というのは少なすぎる。もう少しゴールに集中させてあげられたらと思って見てるんです。

 それから日本代表に……は、もうちょっと期待が高まりすぎてて今は難しいと思うので、ワールドカップ後に送り出してあげてください。

 そして監督は現役時代、勝っても負けても報道陣の前に立ち止まって自分の言葉で説明してました。今後はぜひその徹底を選手にお願いします。

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(森雅史 / Masafumi Mori)

森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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