国際親善試合で初のビデオ判定導入 覆る判定にFIFA会長は「歴史を目の当たりにした」と手応え

日本戦が最新技術導入の呼び水となるか

 この判定について、FW本田圭佑(ACミラン)は試合後に「なぜ第4審判がいないのかは疑問でした」と振り返っている。本田がプレーするイタリアのセリエAやUEFAチャンピオンズリーグでは、主審と副審の他に、各ゴールの脇に一人ずつ追加副審が立ち、試合を5人の審判団でジャッジしているが、今予選では従来の3人で試合が裁かれた。本田は運営の不備に苦言を呈し、バヒド・ハリルホジッチ監督も「審判の笛の吹き方は受け入れられない」と不満を漏らした。

 カタールの審判団の力量不足や、決定機を決めきれなかった日本に問題があったといえばそれまでだが、それ以前にこうした事態を防ぐ術はあったはずだ。あくまでイタリア対フランス戦でクローズアップされたビデオ判定は、ゴールがオフサイドであったか、ファウルがペナルティーエリアの中か外か、警告の対象者を変更、審判団の見えない位置での暴力などで効果を発揮するもので、日本が直面した今回のケースとは若干、種類が異なる。

 しかし、2014年ブラジル・ワールドカップや英プレミアリーグなどでは、ゴール判定に使われるゴールラインテクノロジー(GLT)がすでに実用化されている。

 今回のケースもGLTがあれば、不可解な判定は起こらなかったはずとの思いを抱いたサッカーファンも多かったはずだ。アジア最終予選という真剣勝負の場で使用されなかった点にも大きな疑問が残った。今回の判定について、海外メディアが「不可解だった」と大きく取り上げており、最新テクノロジー普及の呼び水となるのだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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