Jリーグで起きた“審判交代”の珍事…元レフェリー家本政明が「美しいシーン」と絶賛した理由 「勝ち負けが決してすべてではない」

8月7日の川崎対横浜FM戦でリアルタイム解説のオンライン配信イベント「家本政明ぶっちゃけLABO」を実施した家本政明氏【写真:FOOTBALL ZONE】
8月7日の川崎対横浜FM戦でリアルタイム解説のオンライン配信イベント「家本政明ぶっちゃけLABO」を実施した家本政明氏【写真:FOOTBALL ZONE】

振る舞いに反映されていた「2クラブの哲学、姿勢、価値観」

 さらに家本氏が注目したのは、両チームの監督が見せた振る舞いだ。負傷した木村主審がピッチを出た際、川崎の鬼木達監督はすっと歩み寄って手を添え、声をかけて気遣うようなやり取りを見せている。また、横浜FMのケヴィン・マスカット監督もピッチ脇に立った木村主審に近づき、落ち着いた様子でやり取りしながら負傷を慮るようにコミュニケーションを図っていた。

「両監督のああいうシーンはなかなか見ないですね。両監督の珍しい行為にもスポーツやフットボールの美しさ、スポーツマンシップを感じました」と振り返る家本氏は、両クラブに根付く精神が監督や選手などの振る舞いに出ていたと分析している。

「フロンターレ、マリノスの2クラブが持つそれぞれの哲学、姿勢、価値観のようなものが、監督や選手、ピッチ上での美しい振る舞いとして出ていました。そして試合が再開すれば、また真剣勝負のなかで激しく火花を散らして熱くファイトし、フットボールの楽しい一面も示してくれました。主審の負傷という思わぬハプニングが発生したなか、両軍の美しい配慮、勝利を目指した真剣勝負のバチバチ感もあったりと、フットボールの美しさと魅力が詰まっていた好ゲームでした」

 川崎対横浜FMで実施されたリアルタイム解説のオンライン配信イベント「家本政明ぶっちゃけLABO」は大好評。担当主審が負傷交代するというアクシデントも発生した一戦の見逃し視聴チケットも購入可能となっており、参加者の鋭い質問に対して忖度ゼロ・NGなしで回答した家本氏の“ぶっちゃけトーク”は話題を呼びそうだ。

【オンラインイベント/視聴チケット情報】

元プロフェッショナルレフェリー家本政明が主催する「家本政明LABO」

家本氏が独自のレフェリー視点で深掘り解説!
参加者の鋭い質問に忖度ゼロのぶっちゃけトーク!
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詳細
「家本政明ぶっちゃけLABO」初回見逃し視聴チケット
2022年8月7日、Jリーグ第24節川崎フロンターレ対横浜F・マリノス戦

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(FOOTBALL ZONE編集部)

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家本政明

いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。

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