家本政明が“レフェリー目線”で分析 「超一流」「ドキドキする存在」川崎のキーマン3選手は?

家本政明氏【写真:FOOTBALL ZONE】
家本政明氏【写真:FOOTBALL ZONE】

L・ダミアンと横浜FMの攻防に注目、「ある程度の激しさを許容」もポイント

 また元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンもキーマンに挙げる家本氏は、「高さがあってヘディングに強く、足元も巧み。総合的な技術が高く、どこからどんな形でも点が取れるザ・ストライカー」と言及する。

 今季リーグ戦21試合出場で4ゴール1アシストに留まっているものの、昨季は23ゴールで得点王に輝いたL・ダミアンの実力は折り紙付き。「来日当初は、フロンターレのスタイルにどんな形でフィットするのか興味深く見ていた。彼がゴール前にいるだけで相手は怖いだろうし、レフェリー目線でもゴールの匂いが常にするのでドキドキする存在だった」
と評している。

 レフェリー時代の家本氏は、L・ダミアンの怪我をしないタックルの受け方に舌を巻いたという。

「ポジション取りも上手く、必然的に相手から受けるファウル数も多くなるが、これは警戒されているので仕方ない面もある。激しいタックルを受けることもあるが、ダミアン選手は怪我をしないコンタクトの仕方をしているので、レフェリー目線でも怪我の怖さというのはさほど感じない選手だった。また、レフェリーともやり取りするタイプで、簡単なポルトガル語でコミュニケーションを図っていた」

 そんなL・ダミアンと横浜FMの攻防に注目する家本氏は、ゲームの魅力を損なわない範囲でどこまで激しさを許容するか、というレフェリー目線でのポイントも挙げている。

「レフェリーとしては選手の怪我が怖いし、激しい攻防で選手が過度なストレスを溜めるのも避けたい。とはいえ、ファウルを取りすぎれば、球際で強さを発揮する選手の良さが消えてしまう。ある程度の激しさを許容し、ゲームを続けさせることで、球際の強さを持った選手の特徴が生きてくる。どのタイミングで笛を吹くか吹かないか、それは自分が現役時代も意識していたポイント。マリノス戦でも、ダミアンとマリノス側の攻防は勝負を分けるポイントの1つになると思う」

 首位・横浜FMを追いかける川崎。神奈川ダービーを制し、後半戦で猛追態勢を築けるか注目が集まる。

■【オンラインイベント情報】

元プロフェッショナルレフェリー家本政明が主催する「家本政明LABO」
J1リーグ第24節「川崎フロンターレ vs 横浜F・マリノス」
オンライン配信イベント「ぶっちゃけLABO」

家本氏が独自のレフェリー視点でリアルタイム解説!
皆様の意見・質問に対して、「忖度ゼロ、NGなし」のぶっちゃけ回答!

開催日時
8月7日(日)夜6時55分ライブ

イベント詳細
[ftp_del] https://iemotolabo.base.shop/items/65263326[/ftp_del]

(FOOTBALL ZONE編集部)

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家本政明

いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。

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