家本政明が“レフェリー目線”で分析、横浜FMのキーマン3選手は? 「人柄がすごくいい」「怒っている姿は滅多に見ない」
【専門家の目|家本政明】神奈川ダービーへ、横浜FMのキーマン3選手を指名
スポーツチャンネル「DAZN」の番組「Jリーグ ジャッジリプレイ」でも活躍する元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本氏は、8月7日のJ1リーグ第24節の川崎フロンターレ対横浜F・マリノス戦で「家本政明LABO」というオンライン同時視聴イベントを開催する。注目の“神奈川ダービー”に向けて、首位・横浜FMから3選手をキーマンとしてピックアップした家本氏は、各選手をレフェリー目線で分析している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
◇ ◇ ◇
2月23日に日産スタジアムで行われたJ1リーグ第9節の横浜FM対川崎の神奈川ダービーは、昨季1位(川崎)と2位(横浜FM)が激突。川崎はFW家長昭博とFW知念慶がゴールするも、FWエウベルとFW仲川輝人がそれぞれ2ゴールを挙げるなどトリコロール攻撃陣が爆発し、ホームの横浜FMが4-2と昨季王者を撃破した。
そんな両者が今月7日、等々力陸上競技場で再び相まみえる。好調をキープして首位に立つ横浜FMが、5位・川崎のホームに乗り込むなか、家本氏は「喜田選手と仲川選手。拮抗した展開も予想されるなか、仕事人の水沼選手も鍵を握る1人」と、横浜FMのキーマン3選手を挙げている。
今季リーグ戦20試合に出場し、4ゴール3アシストの結果を残すFW仲川輝人について、「とにかく速くて上手い。状況判断も素晴らしく、特にここぞという場面でのプレーと状況判断が迅速。ドリブルでスピード感を維持するのは難しいが、仲川選手の場合はドリブルでスピードが落ちず、まさに高速という言葉が合う。さらに勝負を決めるゴールも取れるのが大きい」と分析。また、レフェリー時代に接した思い出を振り返り、「余談ながら、普段から人柄がすごくいい。試合中、試合前後も人柄が出ているような笑顔がすごく特徴的」と続けた。
また今季リーグ戦20試合出場で5ゴール6アシストのMF水沼宏太は、7月のE-1選手権で32歳にして日本代表に初選出。「水沼選手も人柄が素晴らしく、怒っている姿は滅多に見ない。愛くるしい笑顔も特徴的」とレフェリー目線の選手評を語る家本氏は、「プレー面で言えば、ゴール、アシスト、チャンスメイクなど技術的にも申し分がなく、どのチームでもキーマンとなって決定的な仕事をしてきた事実が、彼の能力の高さを物語っている」と評した。
家本政明
いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。