浦和GK鈴木彩艶、日本代表での課題を胸に「1つ1つのプレーで切り替えた」 先発出場で掴んだものとは?

浦和GK鈴木彩艶【写真:Getty Images】
浦和GK鈴木彩艶【写真:Getty Images】

ルヴァン杯でフル出場を果たした

 浦和レッズの日本代表GK鈴木彩艶は、8月3日のルヴァンカップの準々決勝第1戦、名古屋グランパス戦にフル出場した。1-1の引き分けでアウェーゴールとともに終えた試合について「今日のゲームはいつも以上に楽しい気持ちでできた」と話した。

 2002年生まれの鈴木はガーナ人の父と日本人の母を持ち、米国生まれの浦和育ち。小学生時代から浦和の下部組織で育ち、16歳でプロ契約を結んだ。190センチ、93キロの体格も持ち、日本サッカー界にとっても大きな期待の懸かる存在だ。2024年パリ五輪の世代でありながら、昨年の東京五輪でメンバー入り。先月のE-1選手権では初めてA代表に選出され、香港戦(6-0)でデビューを飾った。

 しかし、浦和では元日本代表GK西川周作の前に第2GKという位置づけで、今季の出場はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の4試合のみ。今季、クラブで国内のゲームに出場するのは初めてとなっただけに「久々のレッズでのゲームでしたけど、とにかく自分は自信を持って何回もトライしてやってやろうという気持ちで入った」という思いがあったという。

 試合に入るとクロスに飛び出してボールに触り切れない場面もあり完璧なプレーと言えたわけではないが、それに委縮するようなことはなかった。自身も「代表での課題もクロスや安定感の部分が出た。そこはすぐに良くなるものではないと思う。今日のゲームでも安定感を欠いた部分もあるけど、こういう風にしっかり反省して次に向けてやっていきたい。少しミスが目立ってしまったけど、1つ1つのプレーで切り替えた。パスが成功して1秒で切り替えて、ミスをしてもすぐに切り替えて、90分プレーできたのは良かった」と振り返った。

 浦和は今季、ジョアン・ミレッGKコーチが就任して、理論的かつ実戦的なGK指導を受けている。西川もプレーの改善が大きく見られる中、鈴木も1つ1つのプレーを丁寧に取り組む姿がトレーニングからある。それだけに「普段通りで、今日のゲームはいつも以上に楽しい気持ちでできた。代表でのスピード感も経験できたし、自分の積み重ね、ジョアンに教えてもらった部分も早く発揮したいと思って楽しみだなと思っていた」と、試合を心待ちにしていた。

 昨季はルヴァン杯でグループステージから基本的にゴールを任され、準決勝で敗退したもののニューヒーロー賞を受賞した。今季の浦和はACLに出場しているため、ルヴァン杯はこの準々決勝からの登場になる。ゴールを固く守って勝ち残れば、それだけ出場のチャンスも増える。次はホームに戻って準決勝進出をかけて戦うことになるが、そのプレーに注目したいところだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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