浦和が“苦手”マンツーマン守備を打開できた理由とは? FW小泉が“解説”「手応えを感じることができた」
名古屋とのルヴァン杯準々決勝第1戦は1-1のドロー
J1浦和レッズはルヴァンカップの準々決勝第1戦、名古屋グランパスとのアウェーゲームに1-1で引き分けた。リカルド・ロドリゲス監督の就任から苦戦してきたマンマーク型の守備に対して前半は特に有効な攻撃ができ、FW小泉佳穂はポジショナルプレーとマンマークの関係について試合後に話した。
浦和は名古屋に対し、6月18日のリーグ第17節で3-0の快勝を収めていた。それが今につながる好調のスタート地点になっているが、名古屋の長谷川健太監督はこのゲームで浦和のビルドアップに対してマンツーマン気味の守備を組み立てた。後方で数的同数になることを厭わずに、前線から人数を合わせていく守備に浦和の立ち上がりは苦しんだ形になった。
それでも時間の経過とともに小泉やMF大久保智明が大きくポジションを動き始めると、中でマークが狂い始めた。小泉は「マンツーマンと言ってもFWが大胆に落ちるとセンターバックはそこまでついて来られないので、中盤が伊藤敦樹選手と岩尾(憲)選手だったところに、僕や大久保選手が入ることで4枚になることもあった。僕が極端に低い位置をとることで相手を混乱させられたし、結果的にそこで数的優位を作れた」と話した。
浦和はロドリゲス監督が就任した昨季から、北海道コンサドーレ札幌戦では苦戦することが多くなっている。その理由の一端にミハイロ・ペトロヴィッチ監督によるマンツーマン型の守備が、浦和が取り組んできたポジショナルプレーに対して効果的だということを小泉は指摘した。
「ポジショナルプレーと言われますが、マンツーマンは特効薬に近いものだと個人的には思っていて、ゾーンディフェンスに対して良いポジションを取ってズラしていくことが、ポジショナルプレーが優れている所なんですけれども、マンツーマンで来られると立ち位置をずらせずに、個の局面になってしまう」
そうした意味では、苦戦してきたタイプの守備を相手にピッチ内で解決策を見つけられたことは大きな手応えになった。一方で、後半は名古屋がFWマテウスとMF稲垣祥をハーフタイム明けから投入すると、前半以上に勢いのあるプレスを受けることになって苦しんだ。強いプレスを受けた時にポジションの取り直しやボールコントロールのところで苦しむ部分がある課題は、この日の後半にも見られた。
それだけに小泉は「今までマンツーマンの相手に苦戦をしてきたんですけど、今日に関しては特に前半は手応えを感じることができた。相手が後半メンバーを変えて勢いが出たところで、チームとしてどう対応するかはまた課題が出た。そういう意味では手応えと課題が出た試合だと思う」と振り返っている。
浦和は前半のうちにFW松尾佑介がMFダヴィド・モーベルグのクロスに合わせて先制点を奪ったものの、後半にマテウスのプレーを起点に最後はMF森下龍矢に蹴り込まれて引き分けに持ち込まれた。アウェーゴールを奪っての引き分けだけに、多少のアドバンテージは得た。
今後、浦和は6日にリーグ戦で名古屋とアウェーゲームを戦い、10日準々決勝第2戦のホームゲームで再び名古屋と戦う。長谷川健太監督の出方は分からないが、マンマーク型のプレスを乗り越えることができれば浦和にとって大きなステップになると言えそうだ。