ドイツで感じた海外選手の「オーラ」 京川舞、ポツダム移籍で誓う“10年間”の経験の還元

京川は「出場した試合で最低1ゴール」を目標に掲げる【写真:©Saskia Nafe】
京川は「出場した試合で最低1ゴール」を目標に掲げる【写真:©Saskia Nafe】

日本で10年プレーしての海外挑戦は「いいタイミング」

 2012年にバルセロナでスペインのサッカーに憧れを抱いてから、海外へ羽ばたくまでに10年の月日が流れた。その間には、左膝内側靱帯および半月板損傷、前十字靱帯断裂の大怪我、コロナ禍による制限、バセドウ病の発症など数々の試練があったが、すべてが今に生きているという確固たる確信が28歳となった京川の中にはある。

「日本でもっと結果を残して、恩返しをしてから海外に行きたいという気持ちがありました。INACに加入して5年くらいで海外へ行くと思い描いていましたけど、今だからこそ、この海外挑戦はいいタイミングだったと感じています。日本でしっかり土台を築き尽くしました(笑)。ポツダムに来てからも、これまでの経験を生かして、チームメイトに積極的に声をかけたり、アグレッシブなプレーにつながっているので、日本に10年いた意味はあったと思います」

 京川がドイツ1年目で掲げるのは、「出場した試合で最低1ゴール」。しっかりと「Mai Kyokawa」の存在をアピールしていくつもりだ。

「パワーやスピードがあるドイツで、日本人選手の器用さを上手くマッチさせて、ストライカーとしても、ゲームメーカーとしてもチームに貢献したいです。もちろん、得点にもこだわって目指すは2桁ゴール。私の存在が“いいスパイス”になったらいいなと思います」

 さまざまな経験を経て逞しさを増した京川は、どんな挑戦にも心が折れることはないだろう。

※後編に続く

[プロフィール]
京川舞(きょうかわ・まい)/1993年12月28日生まれ、茨城県出身。常盤木学園高―INAC神戸レオネッサ―1.FFCトゥルビネ・ポツダム。WEリーグ通算4試合0得点、日本女子代表通算5試合0得点。卓越したゴール嗅覚、裏への抜け出しを武器に、センターフォワード、トップ下、ウイング、サイドハーフとマルチにこなす万能アタッカー。2021年5月にバセドウ病と診断されたことを発表。長い闘病生活を乗り越えて今年4月にピッチへ戻り、新シーズンからはドイツで初の海外挑戦に挑む。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)

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