“愛弟子”浦和MF岩尾憲、リカルド・イズム浸透へ役割果たす「整理はついてきている」 直近5勝2分でチーム上向き

浦和MF岩尾憲【写真:轡田哲朗】
浦和MF岩尾憲【写真:轡田哲朗】

浦和は川崎に3-1で勝利

 浦和レッズのMF岩尾憲は、7月30日のJ1リーグ第23節で川崎フロンターレに3-1で勝利したゲームで移籍後の初ゴールを決めた。一夜明けた31日のトレーニング後にはオンラインで取材に応じ、「チームとしても大きな1点だったんじゃないかと思う。そこを決めたのが自分だったというのも自信になる」と喜びを語った。

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 川崎戦で浦和は前半17分までに2-0とリードしたものの、後半37分にPKで失点。その時点から5バックに切り替えて後ろの人数を増やしたが、岩尾は「難しい展開になりかねない状況だった」と話す。それでも後半40分、スローインを敵陣でFWキャスパー・ユンカーがキープしたところをMF関根貴大がフォローして縦に突破。中盤からゴール前に飛び込んでいった岩尾が関根からのラストパスを押し込んだ。

 その状況について岩尾は「スローインからでうまく背後を取った時にスピードアップできる選手が限られていた。関根が次にスピードアップして、次のボールに近いのが僕だった。なので、ポジションを捨ててゴール前に入っていくことが求められた。もし自分の他に何人か前にいたりスピードアップしたりしようとする選手がいたら自分までわざわざポジションを捨てないけれども、前の人数が少ないということは自分が出ていっても後ろの人数は足りるのでリスクはない」と、冷静な判断をベースにダイナミックな走り込みを見せていた。

 岩尾は徳島ヴォルティス時代にリカルド・ロドリゲス監督のサッカーを4年間経験しているだけに、より戦術を浸透させる“懐刀”としての期待も掛けられながら今季に浦和へ加入した。しかし、3月のインターナショナル・マッチウィークによる中断明けから6月の同中断までのリーグ戦を8分1敗で終えるなど、勝ち切れないチームの中で自身も苦悩した。

 6月の中断明けからリーグ戦を5勝2分と無敗の上に全試合でゴールが生まれているが、その中央部にはMF伊藤敦樹とのコンビが確立されつつある。川崎戦でも1ゴール、1アシストの活躍を見せた伊藤との関係を「最初はダブルボランチの優先度が高かった。リカルド監督も試行錯誤して彼をインサイドハーフっぽくして、人数をかけるのと縦のレーンで割った時に5レーンにバランスよく配置できるようにした。それが選手の特徴も含めて上手くできるようになってきていると思う」と、チームの変化も語った。

 浦和は比較的、縦に速いサッカーを志向する時期も長く伝統的にドリブラーの人気が高い。ロドリゲス監督は川崎戦の試合展開について「よりボールを保持して守備の機会を減らしていくのが理想」と話したが、岩尾はそうした監督の理想とクラブの文化の部分についても思考を巡らせている。

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