森保ジャパン、勝利を手繰り寄せたウォーミングアップ ファインダー越しに見た“消極的”韓国と日本のみなぎる「闘志」
終始、「ライバル」と戦い続けた日本 勝利は必然だった
フルスロットルで飛ばしていく日本の懸念は体力の消耗による息切れだった。だが、そうした心配はこの日の日本にとっては無用だったようだ。ライバルには負けられないという意識が反映さたれ力強いプレーは90分間を通して保たれ続けた。
日本を指揮する森保一監督も「日韓戦は特別と理解して臨む」と覚悟を持って臨んだ試合である。彼にしては珍しく感情を出して指示を行う場面が見られたが、それこそが彼の意識の表れだった。
試合は後半4分に相馬勇紀がゴールの口火を切ると、同19分には佐々木翔がヘッドで追加点。同27分にはトドメとなる得点を町野修斗が韓国ゴールに突き刺した。スコア、内容ともに日本の完勝で見事、優勝を果たしたのだった。
言うまでもないが選手や監督、コーチ陣はどんな試合でも勝利を目指している。その中でも試合には様々な対決への思いが内包されている。今回のような特別なシチュエーションを体験することにより選手は勝利のための方法を考え、それをピッチで実行することによって成長していくのだ。目の前の試練に興奮し、困難に立ち向かった対韓国戦でプレーした選手たちはこの試合を通して確実に成長したことだろう。
試合後、ゴールを決めた選手へとカメラを向けると、ファインダーの中には充実した笑顔で応える彼らがいた。
徳原隆元
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。