宮市亮の負傷は「アクシデント」 批判対象の韓国主将のプレーに日本代表OB言及「汚くもなんともない」
【専門家の目|栗原勇蔵】宮市が右膝を痛めて負傷した際のキム・ジンスは正当プレー
森保一監督率いる日本代表は、7月27日に行われたE-1選手権第3戦で韓国に3-0で勝利した。通算2回目の大会制覇を果たした一方で、途中出場したFW宮市亮(横浜F・マリノス)が相手選手との競り合いで右膝を痛めて負傷交代。韓国への批判の声も強まるなか、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「汚いプレーでもなんでもない」と見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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宮市はMF相馬勇紀(名古屋グランパス)のヘディング弾で1点リードして迎えた後半14分、横浜FMの同僚であるMF水沼宏太に代わって右サイドハーフに入った。その1分後、宮市がタッチライン際で縦に突破を仕掛けると、韓国のキャプテンを務めるDFキム・ジンスが身を投げ出してストップ。宮市はピッチに倒れ込んだが、この場面では大事に至らなかった。
後半19分にセットプレーからDF佐々木翔(サンフレッチェ広島)のヘディング弾、同27分に華麗な連係からFW町野修斗(湘南ベルマーレ)が3点目を奪取した日本だったが、同31分にアクシデントが宮市を襲う。
DF小池龍太(横浜FM)のスルーパスを追いかけ、敵陣のペナルティーエリア内まで駆け上がった宮市。ボールはガンバ大阪でプレーするDFクォン・ギョンウォンに先に触られたが、相手が蹴ったボールが宮市に渡って一転してチャンスになった。ゴールライン際でキム・ジンスと競り合いになった際、宮市は右膝を捻るような形で転倒。右膝を抱えてしばらく立ち上がれず、しばらくチームスタッフと会話した後、同33分にMF森島司(広島)と途中交代になった。
交代時には自身で歩いていた宮市に関して、森保監督は試合後、「メディカルからプレー続行不可能という連絡があり、すぐに交代した。まだ病院に行っておらず、膝を固定して様子を見ている」と状況を説明していた。
韓国の激しいプレーにはネット上で否定的な見解も散見されるが、元日本代表DF栗原氏は、負傷に至ったシーンに関しては批判に値するものではないと見解を述べている。
「キム・ジンスが(宮市とボールの間に)身体を入れて、クォン・ギョンウォンに処理を任せようとしたところで、味方がボールを失って宮市にかわされそうになったので、キム・ジンスがまた対応する形になった。宮市が負傷する前のプレーは汚くもなんともない。キム・ジンスは日本でのプレー経験(2012~14年にアルビレックス新潟に所属)があって、人間性もいい選手。傷んでいた宮市を気にかけていたし、日本に対してひどいプレーをする選手でもない。あれは完全にアクシデント。ただ、宮市が膝を痛めてプレー続行ができない状態というのは重症の可能性があります。靭帯とかが傷がつくから走れない、動けないわけで、心配です」
栗原氏は、宮市が大事には至らず、再開するJリーグでも好プレーを見せることに期待していた。
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栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。