MVP&得点王で猛アピールの相馬勇紀、東京五輪世代・三笘らとは「まだ同じ土俵に立てていない」 W杯切符は「さらに成長」
E-1選手権で3ゴールするなど大活躍だった相馬
E-1選手権を戦った日本代表MF相馬勇紀は全3試合に出場して3得点を記録。大会得点王とMVPの個人賞をダブル受賞した。今回、日本代表に招集された日常をJリーグで戦っている選手たちにとって、カタール・ワールドカップ(W杯)出場への貴重なアピールの場。7月27日に行われた第3戦目の韓国戦(3-0)を終えて、相馬は抱いていた思いを一気にまくし立てた。
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「この大会に臨む前に、自分のなかで『チームのために結果を出す』『自分の道を自分で切り開く』というテーマを実は決めていました。今まで代表に選出されていましたが、他人の力でチームを勝たせてもらって、そこにいた1人でした。だから、今回はそこをテーマにしていました」
日本代表は、普段から活動をともにできるわけではない。特に今回は招集された26名のうち、11名が初招集の「Jリーグ選抜」状態。これまで代表活動で培ったものも、ほとんどないイレギュラーな状況だった。
それでも日本代表は、何より勝利が求められる集団だ。森保監督は、少しでも普段から選手たちが培った連係を生かせるようにと、初戦の香港戦(6-0)では横浜F・マリノスの選手たちを中心に構成。2戦目の中国戦(0-0)では、サンフレッチェ広島の選手たちを中心に構成した。
名古屋グランパスに所属している相馬にとっては、決して簡単な状況ではなかった。実際、優勝決定戦となった第3戦の韓国戦でも、ピッチ中央でボールを保持していた味方から、どこでボールを受けるか距離感をつかみかねている場面やサイドからクロスを入れようとしても合わない場面が散見した。
積み上げがほぼない連係面で苦戦した相馬だったが、3戦を通してしっかりと個の力を示した。まず初戦の香港戦では、開始早々に直接FKから先制点を挙げる。セットプレーが課題となっている森保ジャパンにとって、明るい材料だった。また、途中出場した中国戦ではゴールこそ挙げられなかったが、積極的な仕掛けで攻撃を活性化。そして、韓国戦では再びヘディングから先制ゴールを決めると、CKのキッカーを務め、DF佐々木翔の追加点をアシストした。
どんな状況にあっても、自分が日本を勝利に導くんだ。そんな積極性は、見る者にも伝わってきた。相馬は言う。
「本当に3試合とも、気持ちを全力で込めて『一つひとつを自分がやってやるんだ』という気持ちを持っていました。それをチームに還元しようというところで、特にこの日韓戦は歴史も長いですし、(韓国に優勝された)3年前の悔しさも自分は知っています。本当にレベルの高い相手だとわかっていたので、そこで何ができるか、チームに貢献できるかを考えて試合に臨みました」
東京五輪で全6試合に出場した相馬だが、U-24日本代表の元チームメートであるMF田中碧やMF三笘薫とは異なり、A代表に定着することはできていない。今回のE-1選手権での活躍を受けても、「まだ同じ土俵には立てていない。最終予選の敵の強さ、プレッシャーがかかったなかというのは、今日のレベルより、もっともっと上のレベルなんだなと思っています」と、冷静に分析する。