なでしこジャパンE-1連覇、現体制で初タイトル 指揮官も選手称賛「成功体験を喜びたい」

なでしこジャパンがE-1選手権連覇【写真:高橋 学】
なでしこジャパンがE-1選手権連覇【写真:高橋 学】

中国に0-0ドローもE-1優勝 池田監督は課題指摘も「粘り強く戦ってくれた」と評価

 なでしこジャパン(日本女子代表)は、7月26日にE-1選手権の最終戦の中国戦を0-0の引き分けで終えて大会2連覇、単独最多4回目の優勝を達成した。ゴールを奪い切れない試合展開だったが、池田太監督は若手も多いチーム構成に「今日は課題というより、みんなでタイトルを取った成功体験を喜びたい」と話した。

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 今大会にあたり日本はイングランドでプレーする主力のFW岩渕真奈とMF長谷川唯がメンバーに入らず、イタリアのローマに移籍が決まったDF南萌華も不参加となり、代表経験の浅い選手も多く入って臨むことになった。初戦の韓国戦で苦しみながらも勝利するとチャイニーズ・タイペイを相手に連勝を飾った。この中国戦は引き分け以上で優勝が決まる状況だった。

 その試合は内容の部分では明らかに中国を上回った。攻撃的に仕掛けたうえで、ボールを失った時も素早く奪い返して敵陣でプレーする時間を長くし、ゲームも支配した。しかし、フィニッシュの精度には問題を抱えた。FW植木理子のシュートがクロスバーを叩いた場面もあったが、具体的な得点チャンスを作りながらも仕留め切れない試合になった。

 それでも池田監督は後半アディショナルタイムでFWの交代を行うと「終盤に入る選手の役割、時間を進める役割がある場合もある」と、優勝という結果を残すために打てる手を尽くした。試合を単体で見ればもったいない引き分けになったが、優勝するための条件を満たす試合という観点では不足はなかった。

 池田監督は「日本開催の目標である優勝を達成できて良かった。今日は決着をつけたかったが粘り強く戦ってくれた。修正点はあるが、(選手には)優勝の喜びをかみしめようと話した。3試合それぞれに良いトライができた。今日の試合でも選手たちが自分の役割、コンセプト、戦う姿勢を見せてくれたと思う。最後の精度のところ、チャンスをスコアに変えるところや共有するところを増やしてゴールできるチームにしていきたい」と試合を振り返った。

 そのうえで「今日は課題というより、みんなでタイトルを取った成功体験を喜びたい」と、池田監督体制での初タイトルになったことについて話してる。

 ヤングなでしこの愛称を持つU-20女子代表を率いて世界一にも輝いている指揮官は、来年にオーストラリアとニュージーランドで共催される女子ワールドカップ(W杯)に向けてチームを導いていく。国内の選手たちがシーズンオフの時期だけに初戦は苦しんだものの、ラストゲームでチームコンセプトを体現するような内容の試合を披露してタイトルを手にしたことは、貴重な成功体験としてチームの自信になると言えそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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