森保J、中国戦で「気持ちが一番見えた」のは? 日本代表OBが指摘「やるべきことを理解している」
【専門家の目|栗原勇蔵】後半に途中出場した名古屋MF相馬勇紀の仕掛ける姿勢を評価
森保一監督率いる日本代表は、7月24日に行われたE-1選手権第2戦で中国に0-0と引き分けた。見せ場が少なかったなかで、元日本代表DF栗原勇蔵氏は途中出場したMF相馬勇紀(名古屋グランパス)の気迫を高く評価している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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初戦の香港戦で6-0と快勝した森保ジャパンは、リーグ戦との兼ね合いで休ませていたサンフレッチェ広島の選手5人を中国戦でスタメン起用。5-4-1システムで低い位置にブロックを形成し、球際でも激しさを見せる中国が粘り強い対応を見せたなか、最後の局面で精度を欠いてゴールをこじ開けられない時間が長く続いた。
ボール支配率65.4%対34.6%、シュート数20対4と数字上は中国を圧倒しながら、ゴールを割れなかった日本。栗原氏は「失点しなかったことはポジティブ」と前置きしたうえで、香港戦との違い、問題点を指摘している。
「香港戦は前半2分に(相馬の直接FK弾で)幸先良く先制点を取れたことで、ゴールラッシュにつながりました。中国戦でも早い時間で点を取ってしまえば、相手も引いて守るわけにはいかず、出てきてオープンな展開でみんなが生きるプレーができたはず。そこが初戦との大きな差です。香港戦のメンバーに負けじと、自分たちもいいところを見せようと、足元でつないでいこうとしたけど、向こうの戦術にハマった。5、6人でブロックを作られると点を取るのは難しい。日本のビッグチャンスは少なかったです」
不完全燃焼に終わったなかで、後半36分にMF森島司(サンフレッチェ広島)に代わって途中出場し、サイドから果敢に仕掛けた相馬は、「自分がやるべきことを理解していて、途中から出てきて『やってやるんだ』という気持ちが一番見えた」と栗原氏は評価する。
2試合を終えて1勝1分の日本は、27日に2連勝の韓国と対戦。優勝を目指すうえでは勝利がマストになる。栗原氏は「中国戦の結果を踏まえて、1戦目の布陣がベースになるでしょう。韓国と一騎打ち、ついに“本番”が始まる。誰が勝負強いのか、真価が問われます」と、日韓戦での“ヒーロー登場”に期待を寄せていた。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。