“広島選抜”で3バックにシフト 日本代表OBがE-1選手権・中国戦のスタメンを予想、アピールに期待の選手は?
【専門家の目|栗原勇蔵】日程の関係により香港戦で温存した広島の選手をベースに構成
森保一監督率いる日本代表は7月24日、E-1選手権第2戦で中国(FIFAランキング78位)と対戦する。国内組にとってはラストチャンスとも言える、重要なアピールの場“第2弾”。元日本代表DF栗原勇蔵氏は“広島選抜”がベースになることを予想している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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今回のE-1選手権は国内組のみの体制で、Jリーガーたちにとってはカタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー滑り込みに向けて“ラストアピール”の場となる。
7月19日に行われた初戦・香港戦(同145位)で、森保監督はDF畠中槙之輔、MF岩田智輝、MF藤田譲瑠チマ、MF水沼宏太、FW西村拓真と横浜F・マリノス勢を5人起用。システムもW杯アジア最終予選の主戦システム4-3-3から4-2-3-1に変更して臨み、MF相馬勇紀(名古屋グランパス)、FW町野修斗(湘南ベルマーレ)、西村の3人がそれぞれ2ゴールを記録して6-0で快勝した。
中4日で迎える中国戦、栗原氏は「(27日の)韓国戦にフルメンバー」投入を視野に入れながら、香港戦では直前にJリーグの公式戦があった影響で起用を回避したGK大迫敬介、DF荒木隼人、DF佐々木翔、MF野津田岳人、MF森島司、FW満田誠のサンフレッチェ広島勢がメインになると予想する。
「GKは初戦で鈴木彩艶を使っているので、谷晃生か大迫敬介のどちらかになりますが、フィールドプレーヤーで広島の選手を多く使うなら、連係面を踏まえて大迫でしょう。システムも考えなければいけなくて、選手が力を発揮しやすいように広島に合わせて、3バックを採用する可能性も十分ある。3バックは佐々木翔、荒木隼人、名古屋(グランパス)で3バックのストッパーをやっている中谷進之介が、ジャストフィットだと思います」
アンカーはスペイン2部ウエスカへの移籍が決まったMF橋本拳人がいるが、栗原氏はA代表初選出で、広島で中盤の底として新境地を開拓した野津田を指名。ウイングバックの右は柏レイソルで同ポジションを務めているDF大南拓磨、左はDF杉岡大暉が香港戦にフル出場していることも踏まえ、サガン鳥栖のMF岩崎悠人を入れた。
シャドーと2トップには、広島のMF森島司とFW満田誠、川崎フロンターレのMF脇坂泰斗、柏レイソルで6ゴールを挙げているFW細谷真大と予想した。
「自分のチームでやっていることをベースにプレーさせれば持ち味を発揮しやすい。コンビネーションよりも、国際Aマッチでどんなプレーができるかアピールの場。U-21日本代表、柏レイソルで活躍している若手FWの細谷はスピードがあるし、満田と森島もアクセントが付けて、ワクワクするプレーを見せてくれるかに期待しています」
27日の韓国戦に向けて弾みをつけるためにも、中国を圧倒して勝利したいところだ。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。