大卒ルーキー満田の鋭い動き出しや仕掛け、勝負強さに注目

■岩崎悠人（MF／FW／サガン鳥栖）

　武藤嘉紀（ヴィッセル神戸）の負傷辞退を受けての追加招集だったが、素早くチームに溶け込んで、香港戦にも途中出場した。鳥栖では3-4-2-1のウイングバックをベースに左サイドで使われることが多く、もちろん左のほうがスムーズに能力を発揮しやすいのは確かだろう。

　しかし、メンバー構成を見ても、香港戦で先発した相馬をはじめ宮市亮（横浜F・マリノス）、満田誠（サンフレッチェ広島）と左を得意とする選手が多いなかで、右サイドで適応力を示せることは大きなアピールにつながる。香港戦ではポジション以上に、気持ちが空回りしたのか、フィニッシュに関わるところで精度を欠くシーンが目立った。

　機動力や運動量のポテンシャルは間違いない。あとは、より強度の高くなる相手にポジション取り、球際などで上回りながら、ゴールやアシスト、その起点などで目に見える価値を示していけるか。森保一監督がA代表を任される前から“森保ファミリー”だった岩崎が限られたチャンスをモノにして、カタール・ワールドカップ（W杯）のサバイバルに食い込むには残り2試合、特に韓国戦で出番を得て、優勝に導くパフォーマンスが求められる。

■満田 誠（MF／FW／サンフレッチェ広島）

　大卒ルーキーながら、気鋭のシャドーアタッカーとして、リーグ戦で5得点5アシストなど結果を残し、プレーの評価も高めている。広島ユースからトップ昇格できず、流通経済大に進学した満田だが、そこで現・京都サンガF.C.の曺貴裁監督に出会い考えが変わった。

　FWとして、とにかく点を取ることだけにこだわっていたところから「点だけでなく自分の特徴であるハードワークやアシストで貢献できることはある」と教えられた。そうしたチームが勝つためのハードワークを意識しているなかで、結果も付いて来るようになったという。

　持ち味は前からの守備の強度で、それは日本代表でも大きな強みになって来るはず。そこにオフの鋭い動き出しや仕掛け、ボックスに走り込んだ時の勝負強さなどを残り2試合で発揮できるか。広島の選手が大量起用されるとみられる中国戦はアピールチャンス。そこからタイトルの懸かる韓国戦での出番につなげられるか注目だ。