「震えが止まらなかった」アキレス腱断裂の瞬間 宇佐美貴史、プロ生活初の大怪我でも恐怖に打ち勝てる訳

G大阪FW宇佐美貴史が怪我をした瞬間【写真:Getty Images】
G大阪FW宇佐美貴史が怪我をした瞬間【写真:Getty Images】

長期離脱したら「キャリアは終わり」と思っていた だが、今は―「苦しいとか言ってられない」

「全身麻酔から起きた時、『俺、昨日試合してたのにもう動かれへんくなってるやん』と思った。でも、怪我をしてから恐怖心とかいっぱいあったけど、1回もネガティブにはなっていない。不思議と。『辛いな、苦しいな』とかは一切ない。俺自身、若い時から全治6か月の怪我をしたらキャリアは終わりや、そんな長いリハビリとか乗り切れるタイプではないと思っていた。でも、意外と『俺ってポジティブにできるねんな』というのが分かった」

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 16歳でプロ入りし、ここまで長期離脱を擁する大怪我をせずに走り続けてきた。2014年には左腓骨筋腱脱臼で全治約8週間の怪我を負ったが、アキレス腱断裂ほどの大怪我は今回が初めて。だが、宇佐美にはマイナスな感情がない。再びピッチに戻ることだけを考えている。

「16歳の時から大きい怪我もなくきて、30歳になるこのタイミングでなった、というのも何かのメッセージなのかな、と。(プロキャリアは)何歳までやるか分からへんけど、折り返し地点に来ているやろうから、例えば35、36歳までやるとしたら、それまでできる身体を作り直す時間にあてなさいということなんかな、と思えている。歯がゆいし、迷惑をかけて申し訳ないけど、弱音を吐いたこととか、頭で考えたことがない。

 これはドライすぎる考え方かもしれへんけど、普通に社会人として働いていて仕事して飯食っているわけですよね、みんな。サッカー選手なら怪我しても復活を目指すなんか当たり前のことでしょ。みんな『辛いリハビリ、苦しいリハビリ乗り越えて』って言ったり思ったりしているけど、でも世の中の人もそうでしょ、と。仕事でミスしたらミス取り返すために頑張る。その感覚と同じ。怪我したので辞めますってことはないから、復帰を目指して頑張る以外の選択肢ないでしょ。感情の振り幅はない。ナイーブな感情とか、センチメンタルな感情はいらない。俺は、怪我って個人に落ち度があると思っているから。接触で当たって不運な怪我をする人もいるけど、今回の怪我に関しては自分に落ち度があるから、苦しいとか言っていられない」

 絶対に宇佐美はピッチへ戻ってくる。現時点で復帰時期は未定だが、理想は9月だという。

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