昨季のチームが抱えていた問題を解決する存在であると太鼓判

　イングランド1部マンチェスター・ユナイテッドは、今夏の移籍市場でデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンをフリー移籍で獲得した。2025年6月までの3年契約を結んだエリクセンだが、ユナイテッドではベンチを温めることになるのではないかという声もある。しかし、クラブの伝説的なGKである元デンマーク代表GKピーター・シュマイケル氏は、オールド・トラフォードでの活躍を確信しているようだ。英紙「メトロ」が報じた。

　エリクセンはEURO2020の試合中に心停止を起こし、ピッチに倒れこんだ。一命をとりとめたエリクセンは、植込み型除細動器（ICD）を装着することとなった。当時、イタリア1部インテルに所属していたが、イタリアではICDを装着した状態でプレーは認められないため、クラブを退団。その後、イングランド1部ブレントフォードに加入することとなった。

　ブレントフォードで、プレミアリーグ8試合で1得点2アシストを記録したエリクセンは、再びデンマーク代表にも招集された。今夏、ブレントフォードとの契約が満了すると、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を決断した。

　現在、ユナイテッドは、新シーズンに向けて様々な問題を抱えている。エリクセンの加入についても、優勝争いが義務付けられているチームで機能するのか、不安視されている。しかし、シュマイケル氏はエリクセンの加入がプラスに左右すると信じているようだ。

「私たちが答えを持っていない、多くの質問がある。クリスティアーノ・ロナウドは残るのか？　フレンキー・デ・ヨングは来るのか？　現在の状態で、チームがどうなるかを予想するのは難しい。ただし、クリスティアン。エリクセンが最初から多くの出場機会を得ることは間違いないだろう。そこで彼は、ほかの選手たちと同じように、力を証明しなければいけない。ユナイテッドのユニフォームを着ることは、栄誉なことだ。彼は多くの人たちが夢見ることを実現できる選手に選ばれた。彼に楽しんでもらいたいね。彼はうまいし、しっかりやってくれるだろう。自分の力を発揮しきれば、エリクセンはスーパースターになることもできる」

　現在、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが残留するか、不透明な状況だ。だが、エリクセンが加入したからこそ、ロナウドは残留すべきだとシュマイケル氏は言う。

「エリクセンはゴールを演出できる。それが彼の得意とすることだ。エリクセンのサッカーを独特な視点で見ている。DFが手に負えないパスを出すんだ。また、アタッキングサードでボールを持てなければいけない。それが昨季のユナイテッドに欠けていたからね。彼は周囲に良い選手がいれば、いるほど力を発揮する。だからこそ、彼とロナウドには一緒に戦ってほしい。2つの優秀なサッカー脳がそろうことになるからね」

　エリクセン自身も、再びUEFAチャンピオンズリーグ（CL）など、欧州の舞台で戦うことを目標に掲げて、ユナイテッドへの加入を決意した。今季、ユナイテッドはCLに出場することはできないが、シュマイケルの期待に応えてくれるだろうか。