森保JのW杯メンバー争い…日本代表OBが考察 「抜けている」2人、「滑り込む可能性十分」のラストピース候補3人は?
【専門家の目|金田喜稔】谷口&山根の安定感、相馬がポジション争いに参戦
森保一監督率いる日本代表は、7月19日に茨城県立カシマサッカースタジアムで行われたE-1選手権初戦の香港戦に臨み、6-0と圧勝した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、11月のカタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー選考を意識し、「ラストピース」になり得る存在に期待を寄せている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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香港戦ではGK鈴木彩艶(浦和レッズ)、MF藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)、MF水沼宏太(横浜FM)、FW西村拓真(横浜FM)、FW町野修斗(湘南ベルマーレ)の5選手がスタメンで代表デビューを飾った。開始2分にFW相馬勇紀(名古屋グランパス)が直接フリーキック(FK)を決めて先制すると、その後も日本が終始圧倒。最終的に相馬、西村、町野が2ゴールずつ挙げ、6-0と完勝した。
W杯に向けて貴重な実戦の場となる今回のE-1選手権。海外組の拘束力はなく国内組で臨むなかで新戦力たちも結果を残したなか、金田氏は「今大会メンバーの中で、W杯最終メンバー候補として谷口と山根は抜けている感じがある」と指摘。海外組も加わっていた6月シリーズで川崎フロンターレのDF谷口彰悟とDF山根視来はともに招集されており、このまま生き残る可能性が高いと見ている。
また、FKを決めるなど2ゴールで猛アピールした相馬にも言及。セットプレーからの得点力不足が叫ばれる森保ジャパンにおいてFK弾は好材料の1つとした一方、相馬の打開力もポイントに挙げ、「東京五輪の時は、三笘薫(ブライトン)を押さえて相馬が出場していたぐらいで、相馬の攻撃的なポテンシャルは十分。南野拓実(モナコ)や三笘らとのポジション争いに割って入っても不思議ではない」と語り、相馬の台頭にも期待を寄せた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。