「面白いと感じた」「やや空回り」の日本代表選手は? 金田喜稔が香港戦出場の全16選手を採点
【専門家の目|金田喜稔】「プレーの風格が漂う」山根、右サイドで効果的な仕掛け
森保一監督率いる日本代表は、7月19日に茨城県立カシマサッカースタジアムで行われたE-1選手権初戦の香港戦に臨み、6-0と圧勝した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した16選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点した。
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<GK>
■鈴木彩艶(浦和レッズ)=★★★★☆(4つ星)
クラブで絶対的な守護神という立場にはなく、19歳なだけにまだ荒削りの面もある。ただ将来性を考えると、W杯のラストピースになっても不思議ではない。足元の技術もあり、飛び出しもある程度自信を持ってやっている。キャッチやパンチは改善の余地があるが、クイックフィードの判断などは良かった。
<DF>
■山根視来(川崎フロンターレ/→後半29分OUT)=★★★★☆(4つ星)
スタメン組の中では代表最多出場の13試合目。代表歴の浅いメンバーたちの中に入ると、やはりほかの選手とは異なるプレーの風格が漂う。上がるタイミング、町野や相馬へのクロスの精度などは良く、右サイドからの崩しや仕掛けも効果的だった。
■谷口彰悟(川崎フロンターレ/→ハーフタイムOUT)=★★★★☆(4つ星)
失点をゼロに抑え込んで、ソツのないパフォーマンスだった。クラブで共闘する山根の特長もよく理解し、上手くサポートしつつバランスを取っていた。相手の攻撃が迫力不足だった点を差し引いても、最終ラインの統率と安定感は評価に値する。
■畠中槙之輔(横浜F・マリノス)=★★★★☆(4つ星)
連係面ではやや不安を残したものの、組み立てにおいてもソツはなかった。フィード面で言えば本来はもっとできる選手だと思うが、ゲームのなかで呼吸を合わせながらやっていただけに、今後の試合に期待したい。
■杉岡大暉(湘南ベルマーレ)=★★★☆☆(3つ星)
若い時から代表経験があり、チャンスを要所で与えられてきた選手。久しぶりに代表入りして、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか期待感があっただけに、ゲームへの入り方を含め、アピールしなければいけないという思いがやや空回りした感もあった。慌ててクロスを上げる場面もあり、攻守においてより冷静なプレーを求めたい。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。