好調・横浜FMを下支えする“影”の2選手とは? 重用が物語る信頼…終わらないサクセスストーリー「満足していない」

小池「周りに頼られる選手に価値を感じ」 岩田「マリノスのサッカーなら上を目指せる」

 前述したように複数ポジションをこなせるのも魅力の選手たちだが、小池はその本質についてこう明かす。

「僕はどのポジションでプレーするかよりも、周りに頼られる選手になることに価値を感じている。どのポジションでプレーしても、チームを助けるプレーや勝たせるプレーは、サッカー選手である以上、価値があると確信している」

 歩みに自信をのぞかせながらも、欲を隠そうとしないのは岩田だ。

「マリノスのサッカーなら上を目指せると思っていた。選ばれて評価されたのは嬉しいけど、まだまだ満足していない。少し前の自分からするとワールドカップ(W杯)は夢のまた夢だったけど、少しでもチャンスがあれば可能性を広げられるようにアピールしたい」

 25歳の岩田と26歳の小池。年齢を考えれば、サクセスストーリーをまだまだ終わらないだろう。キャリアにおけるスタート地点は周囲の代表選手と比べものにならないくらい凡庸だとしても、積み重ねてきた努力の価値は現在地点が動かぬ証左だ。

 より高い場所の空気を吸った彼らには、さらなる進化が期待できる。

 W杯を夢物語で終わらせないために、築いてきたキャリアをアップデートする日々が始まった。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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藤井雅彦

ふじい・まさひこ/1983年生まれ、神奈川県出身。日本ジャーナリスト専門学校在学中からボランティア形式でサッカー業界に携わり、卒業後にフリーランスとして活動開始。サッカー専門新聞『EL GOLAZO』創刊号から寄稿し、ドイツW杯取材を経て2006年から横浜F・マリノス担当に。12年からはウェブマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』(https://www.targma.jp/yokohama-ex/)の責任編集として密着取材を続けている。著書に『横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史』、構成に『中村俊輔式 サッカー観戦術』『サッカー・J2論/松井大輔』『ゴールへの道は自分自身で切り拓くものだ/山瀬功治』(発行はすべてワニブックス)がある。

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