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中村俊輔落選「正直驚きました」 ロッカー室で首相と歓喜の抱擁「今では絶対できない」 稲本潤一が明かす日韓W杯の舞台裏
ベテランの中山雅史、秋田豊がチームを1つにする雰囲気作りを徹底
一方で、直前の欧州遠征でメンバーから外れていた34歳の中山雅史、31歳の秋田豊と経験豊富なベテランがサプライズ選出されたことも話題となった。最年長の中山は、グループリーグ第2戦のロシア戦(1-0)で後半27分から途中出場したのみ、秋田は大会を通して出番はなかったが、2人は控えの立場を理解したうえで、先頭に立ってチームを盛り上げていった。史上初のグループリーグ突破を果たすことになるチームには、「一体感」がみなぎっていたと稲本は回想する。
「個人的に何かを言われたわけではなかったですけど、ゴンさん(中山)と秋田さんがいてくれることで、チームに一体感は間違いなくありました。もちろん、ゴンさん、秋田さんも盛り上げるために入ったわけではなくて、試合に対して高い意識を持って準備をしながら、周りの空気を1つにまとめるような雰囲気を作ってくれました。当時、僕は22歳と若手で、コミュニケーションを取っていたのは年齢の近い伸二、中田浩二、明神(智和)さん、柳沢(敦)さんあたり。『まずは自分』という感じが強くて(苦笑)。一体感を作り出すことの重要性は、そのあとの2大会(2006年ドイツ大会、10年南アフリカ大会)を通じて学びましたね」
稲本と言えば、グループリーグ初戦ベルギー戦(2-2)の1-1で迎えた後半22分、中盤で相手のボールをカットすると、こぼれ球を拾った柳沢からのパスに鋭く抜け出し、DFをかわして左足で逆転ゴールを決めた。この試合、負傷して宮本恒靖と交代したフラット3の要だった森岡隆三からは、「次も点取れよ」と言葉をかけられたという。
「ベルギー戦は逆転したあとに追い付かれたので、ワールドカップで初めて勝ち点を取ったとはいえ、試合後のロッカールームはお祭り騒ぎという感じではなかったです。ラインコントロールとか反省が多く、『次の試合に向けて』というほうが強かった。隆三さんはアクシデントに見舞われて悔しさもあったと思うので、『隆三さんのために』という雰囲気はチーム全体にありました。ガンバ(大阪)の時から宮本さんが(センターバックとして)うしろにいて、一緒に中盤(ボランチ)を組んだり、長い間一緒にやっていたので、個人的にはそれほど違和感なくやれました」