浦和FW松尾佑介、移籍加入後リーグ初得点に歓喜 VAR介入後にゴール認定「できれば見ないで」と心境吐露
清水とのアウェーゲームで先発、前半42分に先制ゴール奪取し勝利に貢献
J1浦和レッズのFW松尾佑介は、7月16日のリーグ第22節アウェーでの清水エスパルス戦で先制ゴール。今季の浦和移籍からリーグ戦の初ゴールとなり「日頃の行いが悪かったらオフサイドだったと思う」と、タイトな判定だったゴールを振り返った。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
松尾は浦和の下部組織出身で、仙台大学から横浜FCに加入してプロデビュー。サイドを切り裂くスピードあふれるドリブルを武器に活躍すると、今季から“古巣”の浦和へと移籍した。強化部からは「11番を空けて待っている」と、今季の目玉補強として迎えられた。
その松尾はキャンプの終盤で負傷がありシーズンは出遅れた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のゲームで最前線に入るオプションが試されると6試合で5ゴールを決めた。リーグ戦でも、FWキャスパー・ユンカーのコンディションが不安定ななかで背後に飛び出すスピードのある松尾は貴重な存在として重宝され、スタメン出場も増えてきた。しかし、なかなか決定機をものにできずにいた。
しかしこの清水戦の前半42分、浦和はDF明本考浩が左サイドから入れた低いクロスがゴール前を通過すると、逆サイドからMFダヴィド・モーベルグがマイナスのボールを供給。そこでMF関根貴大が強いシュートを放つとGK権田修一がこぼしたところを松尾が押し込んだ。松尾のポジションがオフサイドかは際どく、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の確認も時間を要したもののゴールは認められた。
このような状況だっただけに松尾は試合後に「日頃の行いが完全に出た。日頃の行いが悪かったらオフサイドだったと思う。そろそろ自分に(ゴールが)来ても良いでしょうと。今日はそれが一番。オフサイドでも何でも良いから入ってくれと。VARもできれば見ないでって」と、ゴールへの思いを話した。
それでも、その過程は冷静そのものだった。断続的に強い雨と小康状態が繰り返されるようなコンディションだっただけに「そのまま詰めようと思ったし、スリッピーで今日はGKの処理が難しいと思っていて、そのまま目の前にこぼれてきた」と、関根のシュートの時点で誰よりも早く狙いをつけていたことが結果につながった。
浦和はオランダ人FWブライアン・リンセンの加入が発表されたばかり。松尾は「まさかこんなところでポジション争いするとは思っていなかった」と、FW起用によるライバル出現への思いを語ったが、「リンセンが入ってきてチームに選択肢も増える。その中で負けずにチームの力になること。僕が1トップじゃないところで起用される機会も増えて、チームの引き出しが増えるのも楽しみにしている」と、再びサイドハーフ起用をされる展開も視野に入れている。
松尾のスピードは浦和の中でも大きな武器として、6月の中断明け4勝2分と無敗で終えたチームの原動力になっている。そのご褒美としてのゴールは、貴重なアウェーでの勝利を手繰り寄せた。